「♪二人は今映画の中へ♪」夜は短し歩けよ乙女 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
♪二人は今映画の中へ♪
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以前、松竹系映画館の本編前に流れるポリシーシネマでホフディランが出演していたアニメの画風がとても印象的に残っていて、その後、これ又以前、ノイタミナにて放映していたアニメも同じ画風で、その大正的ノスタルジー溢れるイメージに強烈に頭にこびり付いていた。夢二的で、少女漫画のようなそのアニメを制作した今作品の監督が巷で天才と呼ばれていたのは今作品に触れて初めて認知したのである。
アニメーションの動きも又、それこそ創世記の手塚的のそれであり、飲み物を飲む喉の動きが膨らみながら下に下がることや、ドタバタ劇等々、今主流のアニメとは一線を画す、とても郷愁を誘う作りになっている。
原作は未読なのだが、これもまた少年少女向けの内容で、イメージとピッタリなのではないだろうか。
中二病的な自意識過剰さを引き摺る『先輩』が、ラストシーンの喫茶店での憑物が取れたような穏やかな笑顔が大変印象的に映る。それまでの右往左往ぶりがハチャメチャな程、その対比が大変面白い。
しかし、それ以上の今回のヒロインの『黒髪の乙女』の無双ぶりに、久しぶりに爽快感というものをアニメで味わえたことに嬉しく感じる。京都先斗町、多分京都大学、鴨川、修学旅行でしか訪れたことがない京都の面白さが充分演出されていたのではないだろうか。今時点の今年の俺的ランキングトップの作品である。
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