エル ELLEのレビュー・感想・評価
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バーホーベン節炸裂!
本当に彼はこういう女性を描かせると最高である。
どういう性癖の持ち主なのか、是非一度話してみたい。
友人の亭主を寝取り、近所の亭主を誘惑し、親友とレズプレイを楽しむ。
事故で重傷を負っていても抱きたいと言われれば受け止める。
自分をレイプした相手と分かっていて、相手のレイプ願望を受け入れる。
受け入れた上で、キッパリと拒絶する。
相手を全て受け入れた上で、自分の願望を叶える。
凄みがある。
主人公だけでは無い。
主人公に亭主を寝取られていたことを知っていて亭主と別れた後主人公と同居を申し出る親友。
亭主のレイプ願望を知っていてその罪を黙認し、その上に自分の信仰を築いていた隣人。
女たちが強すぎる。
だ、ダメだ。
これじゃ男は立つ瀬がない。。。
60を超えてなお恐ろしいまでの色香のイザベル・ユペール。
凄い。
また70代後半でこんな映画を撮ってのけるポール・バーホーベン。
あんたは凄いよ。。。!!
見応え充分
見終わったあと、あれはこういう事だったの?と色々考えさせられる映画でした。原作があるそうですが、これはハリウッドには到底つくれない作品かと。
犯人は割礼している男らしい。そういう事、レイプされて分かるもんなんですね。会社の社員かと思ったら、違いました(ズボンを脱がせて確認してた)。
そして、主人公ミシェルは自身の中にあったM的なものに目覚めた? 前夫とは彼の暴力が原因で別れたらしいのに。父の事件も関係があるのでしょうね。ミシェルは車で事故にあっても救急車を呼ばす、レイプ犯とわかっている隣人に連絡する。この二人はSMの関係ってこと? この隣人はユダヤ系で、妻レベッカは敬虔なカトリックらしい。最後のレベッカとミシェルの会話も、ありえないものじゃないですか?(レベッカ役は「おとなの恋の測り方」の人)
おそらくミシェルはわざと隣人の男をそそのかして、事におよぼうとしていたのに、そこにやってきた息子のヴァンサンは単細胞だから、母が襲われていると勘違い。
このヴァンサンも、明らかに自分とは違う肌の色をした赤ちゃんを産んだ彼女を愛していて別れないというのも、ちょっとおかしい。でも、いい息子ですね。ご褒美に車も買ってもらえて。
ミシェルは友人のアンナに、彼女の夫と不倫していたと告げる。あ〜、何もここで言わなくてもいいのに、と思いました。やっぱりミシェルはちょっと性格悪すぎでは? でもそれを水に流すアンナもヘン?
ミシェルの母や、元夫の恋の顛末も、いかにもフランス的だなあと思いました。
とにかく見応え充分のフランス映画でした。猫が可愛くなかった。
ヴァーホーヴェン監督による女性の業の肯定
ゲーム制作会社社長のミシェル(イザベル・ユペール)。
帰宅したところを目出し帽を被った男にレイプされてしまう。
しかし、彼女はその後、平然とデリバリーサービスを注文し、息子の訪問を受け入れる・・・
といったところから始まる物語で、彼女がレイプ事件を警察に通報しないのは、39年前に父親が起こした大量殺人事件が背景にあることが明かされる。
なので、彼女が事件を明るみに出さず、独自に犯人を捜していくのは納得がいく。
これで犯人を突き止めて自身で復讐するだけならば、まぁ、フツーの映画になるのだが、ポール・ヴァーホーヴェン監督をしているだけあって、そんな凡百な映画になどならない。
レイプされた後も、自身の欲情を抑えられない(とはいえ、通常は抑えているのだが)彼女は、隣家を双眼鏡で覗き込み、その家の主人の姿をみながら自慰にふける。
さらに、犯人を突き止めた後も、犯人とともに共犯者めいた背徳の関係を持つ(これは、結末への伏線ととることもできるが、そんな理性的な関係にはみえない)。
こういう彼女の姿は、空恐ろしい気もするが、なんだか突き抜けていて、業を肯定しているようで潔い。
そう「女性の業の肯定」。
業を、決して否定したりしない、ポール・ヴァーホーヴェン。
それに対して、今回の事件も、39年前の事件も、背景には宗教が絡んでいる(絡んでいるといっても、今回の事件は表面には現れてこないのだが)。
どちらの事件にも熱心な信者がいるが、神は救ってはくれない。
どちらかといえば、放ったらかしにしているだけである。
救ったのは、人間自身である。
そうみれば、この映画、女性の業の肯定と神の否定というベルイマン的な重々しい主題が隠れているようだが、それは考えすぎか、それとも的を射ているのか。
いずれにせよ、一筋縄ではいかないポール・ヴァーホーヴェンであった。
それにしても、登場する男はみんな下衆野郎ばかりであるが、別に「男性の業」は否定していないだろう。
単に、結果的に、ヒドイことになるというだけで・・・
加害者家族もの
2スクリーンのみの公開館数の少ない作品を扱う小さな劇場で鑑賞。おばさんたちで賑わっていたことに少し驚いた。おばさんたちリアクションよかった。
おばさんのレイプシーンから始まる作品だけど、終盤にかけて人間関係に可笑しさが増してとても楽しめた。エログロがあってこそ面白い作品になるなーと、脱ぎっぷりも魅了のシーンで、作品の深さ広さができて全体がより楽しめると思う。
ELLEはフランス語で彼女という意味と調べていたおかげか、主人公の彼女について分かっていくのが面白かった。
坂元裕二脚本のドラマそれでも生きて行くがとても好きで、衝撃的な殺人事件の被害者家族・加害者家族についてのドラマには考えさせられるなと思う。お母さん…フランス人の整形顔おもしれえ。
息子の嫁面白かった。やだなー、あんな娘はと、子供産むとあんなに我を忘れるかと。ラストの心変わりも良かった。
クリスマスパーティとゲームの完成発表で主要キャラクターが一堂に会す場面はわくわくした。構成うまいなーと。
裏切りと再生の物語
登場人物全員が誰かを裏切り続ける。裏切られる不快感の正体は、常識なのか誠実さなのか。裏切り続けた人が自分に正直に生きようと再生していく姿はなんとも言えぬ感覚。痺れた脚に血が通っていくような。
期待していたよりも普通な映画
犯罪者の娘である主人公の気持ちは良くわかりますが、レイプ犯の誘われるままに行動した場面の気持ちは不明でした。私はこの中年女性が自由に女として生きている在りようにむしろ知性を感じました。
議論を恐れない大胆さと、鋭利でセクシーなヒロイン像。
久しぶりにヒリヒリとした痛みを伴いながら、かつ体が思わず火照ってくるようなそんなセンシュアルで刺激的な作品を観たなぁと思った。そして私はこういう映画が好きだったと改めて思い出すと同時に、この映画のヒロインのことをとても好きだと感じた。
かねてより、私は「説明のつかない女の映画」が好きだ。つまり、旧時代的な「女」という概念や、世間一般でノーマルとされている女性像では説明しきれない女を描いた物語に、いつも感動し、共感してしまう。私にとってミシェルはまさしくそういう人物。彼女の身に起こることは、女として生まれた者が受ける屈辱の最たるもの。だからと言って彼女は女という固着観念の中に閉じ込められるような真似はしない。生々しいまでに女として生き、女であることを肯定し、けれども女であるという柵(それだけでなく全般的なステレオタイプも含め)を次々に破壊して生きているようなその姿が爽快かつとてもセクシーで、私は彼女もまた女性の中の英雄だと感じた。
私は、女性が男性化することを望まないし、それを男女の平等だとも思いたくない。だからこそ「ワンダー・ウーマン」のような英雄像よりも、この作品のミシェルのような女性の方が、私にとってはより英雄的に思った。同じ女性でさえ、彼女に共感する人は少ないかもしれないけれど、私は彼女のことをとても好きだと思った。
(この感想を書きながら、あまりにも「女」「女」と連呼していて、自分でそれもいかがなものか?と思っているが・・・)
題材はとてもデリケートな要素が大きい。しかし物語も演出も、そしてフランスの大女優イザベル・ユペールの演技も、すべてがエッジィで大胆だし、題材に対してまったく恐れをなしていないどころか、むしろ更に挑発的なまでに物語を鋭く研いでいく。彼女を襲ったレイプや、性的な嫌がらせなども恐ろしいのに違いないが、この映画の本当のスリルはミシェルの心理描写にある。彼女が次にとる行動、話す言葉、考えること、思うこと、そういったものの積み重ねこそがスリリング。そしてそのスリルがとても煽情的でセクシー。そしてそれを体言するイザベル・ユペールがひたすら格好良くて、惚れ惚れした。
「ピアニスト」での名演を代表作に持つフランスの女優は、60歳を過ぎてなお攻めの姿勢を崩さない。誰にも説明のつかない女ミシェルを、誰よりも理解してその矛盾だらけの情念が滾る様子を魅せつけてくる。こういう役柄を演じるのに、ユペール以上の適任者は居なかっただろうと思うし、この役を演じたのがユペールで良かったと心から思った。
登場人物達は大丈夫なのか?
「この人達ちょっとおかしいよね」っていう人ばっかり出てくるよ。
考えようと思ったら色々考えられる話なんだと思う。でも考えないでボーッと観た。「イザベル・ユペール可愛いなあ」と思って観てると観れちゃうんだよね。
アンヌ・コンシニも綺麗だったなあ。フランスの女優さん達の年取っても魅力的なところは凄いね。
ストーリーではね、ラストのレベッカの「パトリックに応えてくれてありがとう」に震えた。登場人物そんな奴ばっかりかよ。
理解不能
実によくわからん。
彼女の事が、だ。
お国柄なのか、彼女が特異なのか…彼女の行動は常に???だ。
物語の冒頭は衝撃的ではあったが、その事自体は彼女には大した事ではないようだ。
常に冷静で、常に無感動だった。
彼女の生い立ちや何かを考え、その辺りに関連付けて観る事が出来れば何か違うのかもしれないが、その刹那に彼女がやってる事は、常に受け入れ、常に流れてる、もしくは流してる。
そんなものだから、良く分からないのだ。
声を出して笑ってる観客もいたが、俺はクスリともしなかった。
なんか…男好きのするおばさんが、不幸な人生を…男運のとてつもなく悪い人生を…いや、要約すると俺には何が面白いのか、何故映画にしようとか思ったのかすら分からない作品だった。
作品の中では、49歳の設定だったけど、日本人と比べると60歳を超えてる裸体にもみえて…あちらの人は肌が汚いなあと、そんな事が印象に残った映画だった。
一言で言うと
「つまんない」だ。
彼女は全編にわたり、彼女の本心を露わにしない。
観客を選ぶ作品なのだろうな、きっと。
ラストシーンは墓場だ。
そこで彼氏を寝取られた親友が、彼女に「一緒に住もうか」と提案する。
その事を絆と捉えたレビューもあったけど、完全犯罪を目論む復讐と捉える事も出来る。
実にあやふやな作品であった。
実際は64歳なのだとか。
もう、おばあちゃんやん。
信仰とインモラル
イザベル・ユペール演じる主人公・ミシェルは、本人にとって全く有り難くない理由で有名人である。
そのせいで、彼女が何者であるかを赤の他人でも知っているのに、彼女は当然ながら他人のことを知らないという、情報の非対称が生じている。
この非対称性が、彼女のパーソナリティの形成に与えた影響は大きく、映画はこの特異な人物像を次第に明らかにしていく。
彼女を有名にした事件である大量虐殺という狂気に、その父親を駆り立てたものはいったい何だったのだろうか。このことに映画は深くは言及していない。
しかし、どうやらその昔に、父親の信仰が否定されたとは言えないまでも、近所の人々にとってはそれが少々大げさで、はた迷惑なものとされていたエピソードが語られる。
ミシェルが隣家の夫妻をクリスマスパーティーに招待した折、教会のミサをテレビ中継で観たがる妻とは異なり、夫はそうしたキリスト教に関わることに何の関心も示さない。後になってレイプの犯人が割礼したペニスの持ち主であることとリンクすることになる。
だがしかし、観客が瞠目すべきなのは、レイプ犯が隣人であったことではない。
重要なのは、敬虔なキリスト教徒である隣家の妻の信仰と倫理観である。つまり、彼女が夫の所業を知っていながら、その犠牲者であるミシェルとは平然と近所付き合いをしていたことと、彼女の信仰心の篤さの並存である。この妻は、信仰のおかげでこのような夫を持っても安らぎを得ることができると述べたかと思うと、ミシェルが夫の性癖に付き合ってくれたことへの感謝の言葉を口にするのだ。まともに聞いていたら開いた口が塞がらない。
「信仰」のお蔭で新しい一歩を踏み出せるという隣家の妻の安らぎが、ミシェルや他の女性たちのレイプ被害の上に成り立っているという恐ろしさ。それを人生の一部として平然と生きているさらなる恐ろしさ。
映画の登場人物の中では、信仰心を持ち合わせているのは、ミシェルの父親と隣人の妻の二人だけである。しかしこの二人こそが絶対に許されるはずもない行為や不作為の主であるといういかがわしさ。
ここに、神の存在が人々の信頼や融和には寄与していない現実を観客は見ることになる。
ミシェルは幼い日の経験によって、警察を信頼していない。だから、レイプされても警察に届け出ることをしない。
しかし、このことは表面的な理由に過ぎない。彼女の欲望は犯人への容赦ない復讐であることが、彼女の妄想としての灰皿のシーンで示される。
分かりにくいことかも知れないが、ミシェルのこの復讐への欲動と、暴漢に犯されることの性的な興奮は矛盾することなく、彼女の中で併存している。
終盤に彼女が隣人の自分に対する行為を警察に告発すると告げる。警察を信頼していない彼女のこと、これは男を煽り自分に危害を加えさせることを目論んだ挑発でしかない。
だが、いつになったら帰宅するのか分からない息子をあてにして、復讐を計画することはないはずだ。息子が帰宅したことによる悲劇は半ば偶然の産物である。ミシェルにとっては、万が一男に殺されることになったとても、パーティー会場から一緒に帰った隣人が捜査線上に浮かばないはずはないから、いずれにしても男を破滅させるという、彼女の復讐への欲求を満たすものであったはずだ。
驚くべきは、彼女にしてみれば、隣家の夫との迫真のレイプごっこが続くもよし、男に殺されるもよし、行為の途中でその男が息子に撲殺されるもまたよし、ということであろう。
彼女の欲求の前では、生への欲望も死への欲望も等価である。そんな彼女にとっては、セックスを求めて自分の職場へやって来た不倫相手の情欲をゴミ箱へ放り込むことなど、鼻をかんだチリ紙を捨てることと変わらない、取るに足らぬことなのである。
このようなミシェルだからこそ、血の繋がらないことが明らかな赤ん坊を自分の子として認め、我儘な妻との生活を決意する息子を支援するラストが清々しい。その夫を寝取った女友人との新たな生活で、以前は果たせなかったレズビアンの性愛を謳歌できることを願うばかりである。
よかった
フランスの性文化はどうなってんだ?と首をかしげることが多々あった。友達の夫をセフレにするとか、主人公が異常なのかもしれないのだが、おおらか過ぎてついていけない。友達もそれが分かった時、一応起こるけどすぐ仲直りするし、不都合があっても受け入れて生きていこうという姿勢なのだろうか。素晴らしいことだ。
主人公がレイプされても、気丈なのか平然としている。平然としようと努めているのだろうけど、それもすごいことだ。両親が亡くなっても割とケロッとしていて、メンタルがタフすぎて、リアリティに問題を感じるレベルでタフだった。かっこいいのだが、タフすぎて凄みがありすぎて怖い。
面白かった
CMを見た時は、レイプされた女性が犯人を見つけてやり返す、復讐ものかサイコホラーかなと思って行ったけど、実際は違った。主人公はサイコパスなんかじゃなく、過去、父親が殺人を犯してマスコミや警察にひどい目に合わされた、でも強く生きてる普通の人。世の中が優しくない事もある事を知っているから、慎重に生きてる。レイプされ、息子は自分の子供じゃない子を妊娠した女性と結婚し、母が死に、遺言に従い会いに行った父も逃げるように自殺する。畳み掛けるような不幸。でも、誰も恨まないし、誰にも依存せずに生きて行く。怖さや必死さの裏返しかやり過ぎちゃったりするけどね。最後に友達と一緒に住まわせてと言われてはしゃぐ姿が可愛い。
バカおとこ図鑑
男はみんなバカばっかり、女は男のくだらない話なんて呑まずに楽しく生きるわ。
と言われた気になった。
私もこの男たちと同じ、幼稚で自分勝手で、笑い者にされる恥ずかしい存在なんだろう、と思われるシーンばかり。
この映画を見てもそう思わない男性は、よっぽどの紳士か、彼ら以下のクズなのかもしれない。
トレンドは「強い女性」
彼女は、寂しかったのではないか。
ミシェル(イザベル・ユペール)は幼少期に父が世界的な凶悪殺人を犯し、逮捕されてしまう。幾度も整形を繰り返し、さらにあまり喜べないような愛人までもつ母には、恥ずかしさをも抱く。この描写はなかったが、親の愛情を充分に受け取らずに生きてきたのではないだろうか。世間に出ても、父親のことで疎まれ、夫とは離婚もした。それでも強く生き、ゲーム会社の社長まで1人でのぼりつめた。決して出来がいいとは言えないものの、大きな息子もいる。
そうやって生きてきたミシェルを襲ったのがレイプ事件の犯人ことパトリックである。不思議にも彼女はレイプされた後も冷静である。やはり、1人で生きてきた彼女にとって、誰かに必要とされるという感覚(それもかなり特殊な状況下の)は、性的オーガズムをも超越する快感だったのだろう。抑圧してきた箍が外れ、捻れた癖を持つようになる。ミシェルは警察に相談することもせず、独自に犯人を探し始める。
しかし、母が死に、息子が結婚して家を出ることになり、元夫は新たなガールフレンドができ...彼女の周囲から親しい人がどんどん遠のいてゆく。そして恋心を抱いていたパトリックが自らをレイプした犯人だとわかった時、彼女は許しがたい想いはあっただろうが、同時に、いざという時に唯一駆けつけ、治療までしてくれ、必要だと言ってくれる彼に多少の幸福感もそこにはあったのだろうと思う。
それでも、彼女はパトリックのこの歪んだ愛情表現は間違っていると指摘した。三度襲われるミシェルだが、息子がパトリックを撲殺することで、彼との歪んだ関係は終りを告げる。
ミシェルは強い女性だった。両親が死に、息子が辛い状況にもなんとか結婚生活を送ろうと奮起し家を出て、彼女のそばにいてくれる人はいなくなった。それでも彼女は正しく生きることを決意したのである。親友にも、正直にあなたの夫と寝たと告白する。
そうしてまた1人、強く生きていくことになったミシェル。最後に傷つけたはずの親友が彼女の元に歩み寄ってきてくれたことは、ミシェルにとっての救いに違いない。
最近のトレンドはどうやら『強い女性』のようだ。『ジャッキー』『ドリーム』『夜明けの祈り』『ワンダーウーマン』そして『ELLE』、女性の参画が随分当たり前になった今、女性の理想像も、この半世紀で変化しているのだ。
平然と歪んだ人間模様
ちょっと狂った美人オバサンがレイプ犯を見つけてヤバイ復讐をする話かと思っていたらそんなことなく、登場人物全員ちょっと狂った人達の平然と歪んだヒューマンドラマだった。
出る人出る人まあ皆、普通の価値観やモラルからだいぶ外れて歪んでいるんだけど、余りにもシレーッと当たり前のようなテンションで描いていくので衝撃を受けるタイミングを逃してしまった。
暴力的に無理矢理襲わないと性的に興奮できない隣人パトリック、そんな彼と結婚生活を送る信心深い隣人の嫁、レイプ犯が隣人だと知りながら普通に接したり通じたりするミシェル
元妻と歳下の彼女を引き合わせる元旦那、元旦那の彼女の職場の人まで出向くミシェル
社長のミシェルに好意的な態度を取りながらCGエロ動画に彼女の顔を合成するケヴィン、そんな彼を性器を見ただけでクビにしないミシェル
猟奇的連続殺人犯でミシェルが面会にくる前夜に自殺する父、若い恋人を金で買いミシェルと父を最期まで会わせようとする母、
余りにも頼りなく頭の弱すぎる息子ヴァンサン、キレやすく肌の黒い赤ちゃんを堂々と抱くヴァンサンの嫁、
親友の旦那と関係を持つミシェル、それを知りながら最後にしばらく彼女と一緒に暮らしたいなんて言って笑うアンナ、
自分の頭を整理するためにもちょっと書き出してみたけどすごいな…
改めてみんなおかしい&やっぱエルは度を超えてなんか変で、そのままストーリーが進みそこを強調しすぎない演出がシュールで面白い。
あっけない場面でも、ふとゾゾッとする感覚が今までにないかんじだった。
ただ鑑賞中は正直何を観ているのか迷うほど掴み所とクライマックスが無かった。
身も凍るスリラーを期待しちゃっていたので拍子抜けしてしまったのかも、
少女の時の経験がその後に影響?
主人公が母親を嫌っていたのは同族嫌悪?
父親の犯行動機がいまいち判らないけど、暴力と性欲は密接に関係していると聞くし、あれが主人公のその後に影響してるのではと思う。
父親は仮釈放の申請をしていたのに、なぜ娘が面会に来ると知って、自死を選んだのか?
うーん、モヤモヤする。
原作読んだら疑問点は解決する?
アンナ、旦那の浮気相手と一緒に住もうなんて、彼女も歪んでそう。
成熟度最高潮の監督、主演女優
とりあえずお疲れ
「ブルーベルベット」「クラッシュ」(クローネンバーグ)のような変態性癖がテーマにあるのでその方面に疎いとおいてきぼり喰らう。レイプマンを理解して一緒に楽しみつつ罠にはめるおばさんの勝利は何との戦いかは、観る人により変わってくるでしょう。
全44件中、21~40件目を表示