エル ELLEのレビュー・感想・評価
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感想を述べるのが難しい
この映画の面白さとは一体何なのか?誰に感情移入したら良いのか…どこへ向かうストーリーなのか…分からないまま終わってしまいました。普通の人間なんて存在しない、家族にも隣人にも職場にも、そして自分自身の中にも、実は誰しもが異常性を抱えている。そんな人間のおどろおどろしさに、気色悪さと可笑しみを感じながらサスペンス的に話が進んでいくので、決してつまらなくは無かったのですが。とにかくイザベル・ユペールさん60歳を超えてるとは思えない美しさでした。
面白くもなんともない、ただの変態映画です
観て損したなあ。イザベル・ユペールの演技はすばらしかったんだけど、でもストーリーがねえ。監督はドMだからこんな変態映画になるんだろうなあ。面白くなかったです。
何これ?
ちょっとイメージ違ったなぁ…。 もっとドロドロした、常軌を逸した話かと期待していたのだが、物語は淡々と進む…。 主人公的には誰が犯人なのか?ということが重要なのかも知れないけど、そんな風に見えない感じで、そんな感じで終わっちゃうんだ…という呆気ない終わり方で、何これ?が感想…。
ヴァーホーヴェン監督による女性の業の肯定
ゲーム制作会社社長のミシェル(イザベル・ユペール)。
帰宅したところを目出し帽を被った男にレイプされてしまう。
しかし、彼女はその後、平然とデリバリーサービスを注文し、息子の訪問を受け入れる・・・
といったところから始まる物語で、彼女がレイプ事件を警察に通報しないのは、39年前に父親が起こした大量殺人事件が背景にあることが明かされる。
なので、彼女が事件を明るみに出さず、独自に犯人を捜していくのは納得がいく。
これで犯人を突き止めて自身で復讐するだけならば、まぁ、フツーの映画になるのだが、ポール・ヴァーホーヴェン監督をしているだけあって、そんな凡百な映画になどならない。
レイプされた後も、自身の欲情を抑えられない(とはいえ、通常は抑えているのだが)彼女は、隣家を双眼鏡で覗き込み、その家の主人の姿をみながら自慰にふける。
さらに、犯人を突き止めた後も、犯人とともに共犯者めいた背徳の関係を持つ(これは、結末への伏線ととることもできるが、そんな理性的な関係にはみえない)。
こういう彼女の姿は、空恐ろしい気もするが、なんだか突き抜けていて、業を肯定しているようで潔い。
そう「女性の業の肯定」。
業を、決して否定したりしない、ポール・ヴァーホーヴェン。
それに対して、今回の事件も、39年前の事件も、背景には宗教が絡んでいる(絡んでいるといっても、今回の事件は表面には現れてこないのだが)。
どちらの事件にも熱心な信者がいるが、神は救ってはくれない。
どちらかといえば、放ったらかしにしているだけである。
救ったのは、人間自身である。
そうみれば、この映画、女性の業の肯定と神の否定というベルイマン的な重々しい主題が隠れているようだが、それは考えすぎか、それとも的を射ているのか。
いずれにせよ、一筋縄ではいかないポール・ヴァーホーヴェンであった。
それにしても、登場する男はみんな下衆野郎ばかりであるが、別に「男性の業」は否定していないだろう。
単に、結果的に、ヒドイことになるというだけで・・・
加害者家族もの
2スクリーンのみの公開館数の少ない作品を扱う小さな劇場で鑑賞。おばさんたちで賑わっていたことに少し驚いた。おばさんたちリアクションよかった。
おばさんのレイプシーンから始まる作品だけど、終盤にかけて人間関係に可笑しさが増してとても楽しめた。エログロがあってこそ面白い作品になるなーと、脱ぎっぷりも魅了のシーンで、作品の深さ広さができて全体がより楽しめると思う。
ELLEはフランス語で彼女という意味と調べていたおかげか、主人公の彼女について分かっていくのが面白かった。
坂元裕二脚本のドラマそれでも生きて行くがとても好きで、衝撃的な殺人事件の被害者家族・加害者家族についてのドラマには考えさせられるなと思う。お母さん…フランス人の整形顔おもしれえ。
息子の嫁面白かった。やだなー、あんな娘はと、子供産むとあんなに我を忘れるかと。ラストの心変わりも良かった。
クリスマスパーティとゲームの完成発表で主要キャラクターが一堂に会す場面はわくわくした。構成うまいなーと。
原作を読んで鑑賞
映画館で鑑賞する勇気がでないと思い、原作を読みました。 ラジオのシネマハスラーで宇多丸さんの批評を聞いて、これはやっぱり観るべき!と思い直し鑑賞。 映画にすると主人公の生命力とセクシーさに口元が緩みっぱなし。 ミッシェル!いけ!その調子!といった応援を送りたくなります。 私は10代の頃、どうして大人は柔軟な考えや発想に乏しいんだろう?と思っていました。 でも柔軟な考えを経験した後に、マイルールみたいな見えない座標を個々に持つのかもしれないと思うようになりました。 そしてその結果、ある角度から見ればとても柔軟なメリハリのある生き方になっていく。 とても蜜の詰まったキレのあるサスペンス映画、そんな印象です。 鑑賞後、下着屋さんに行って黒のランジェリーを購入しました。 人生で1番高いランジェリーでした。とても満足しています。
いい意味で厭なお話
レビューを見ると理解できない、登場人物みんな狂ってるなんてのを目にするけど、実は気付いてないだけで、誰でもこういった変な部分は持ち合わせてるんじゃないのかな〜。万人受けする映画じゃないけど、私は好きです。ある意味、人間らしい厭な映画です。笑 イザベル・ユペール64歳とは思えないほど綺麗だった♡
裏切りと再生の物語
登場人物全員が誰かを裏切り続ける。裏切られる不快感の正体は、常識なのか誠実さなのか。裏切り続けた人が自分に正直に生きようと再生していく姿はなんとも言えぬ感覚。痺れた脚に血が通っていくような。
日本人には理解出来ないが、フランス人てこんな感じなんだろうな〜、と...
日本人には理解出来ないが、フランス人てこんな感じなんだろうな〜、と思える作品。 生涯現役で、パーティーとか挨拶のキスとか絵になります。 サスペンスフルなこういう雰囲気の映画好きです。
ひとことで言えない
映画を観た甲斐があった。 サスペンスの復讐もの、推理もの、 程度に思って見ていましたが、 良い意味で期待を裏切られました。 ユペールの魅力がすごい。 人間を善と悪で、割り切れないもの、 複雑で矛盾した存在であると、 様々な登場人物が、 魅力的に、丁寧に、描かれていると感じました。
期待していたよりも普通な映画
犯罪者の娘である主人公の気持ちは良くわかりますが、レイプ犯の誘われるままに行動した場面の気持ちは不明でした。私はこの中年女性が自由に女として生きている在りようにむしろ知性を感じました。
そろそろ面白くなるぞ
共感できる登場人物はいないし、ストーリーもスリリングでもなく、謎解きも大したことない。 にもかかわらず、眠くならず最後まで集中してみられた。 これから面白くなるぞ、そろそろ面白くなるぞ、いやいやこれから一捻りか、なんかあるはず、と引っ張られてみているうちに終わった。そんな映画でした。 こんなの初めて〜
やっぱりコメディだった
日本人だからか、最初は全くコメディには感じられず。 このおばあちゃん、全く綺麗なんて感じなかった。なんかプロポーションのバランスもおかしい。え?それこそがコメディなのか?こんなおばあちゃんがそんなモテるわけもなく、ゲーム会社を経営出来るわけもなく、全てが有るわけもない設定なのがコメディなのか。絶対そうだ。心の中で「ない!ない!」って突っ込む映画で、そもそもオランダ人がフランス映画として制作している時点でコメディだよな。 ただ飽きずに見ることができる作品だった。バーホーベンは好きだし、こういう穴だらけの映画こそが彼の持ち味なのを思い出した。
議論を恐れない大胆さと、鋭利でセクシーなヒロイン像。
久しぶりにヒリヒリとした痛みを伴いながら、かつ体が思わず火照ってくるようなそんなセンシュアルで刺激的な作品を観たなぁと思った。そして私はこういう映画が好きだったと改めて思い出すと同時に、この映画のヒロインのことをとても好きだと感じた。
かねてより、私は「説明のつかない女の映画」が好きだ。つまり、旧時代的な「女」という概念や、世間一般でノーマルとされている女性像では説明しきれない女を描いた物語に、いつも感動し、共感してしまう。私にとってミシェルはまさしくそういう人物。彼女の身に起こることは、女として生まれた者が受ける屈辱の最たるもの。だからと言って彼女は女という固着観念の中に閉じ込められるような真似はしない。生々しいまでに女として生き、女であることを肯定し、けれども女であるという柵(それだけでなく全般的なステレオタイプも含め)を次々に破壊して生きているようなその姿が爽快かつとてもセクシーで、私は彼女もまた女性の中の英雄だと感じた。
私は、女性が男性化することを望まないし、それを男女の平等だとも思いたくない。だからこそ「ワンダー・ウーマン」のような英雄像よりも、この作品のミシェルのような女性の方が、私にとってはより英雄的に思った。同じ女性でさえ、彼女に共感する人は少ないかもしれないけれど、私は彼女のことをとても好きだと思った。
(この感想を書きながら、あまりにも「女」「女」と連呼していて、自分でそれもいかがなものか?と思っているが・・・)
題材はとてもデリケートな要素が大きい。しかし物語も演出も、そしてフランスの大女優イザベル・ユペールの演技も、すべてがエッジィで大胆だし、題材に対してまったく恐れをなしていないどころか、むしろ更に挑発的なまでに物語を鋭く研いでいく。彼女を襲ったレイプや、性的な嫌がらせなども恐ろしいのに違いないが、この映画の本当のスリルはミシェルの心理描写にある。彼女が次にとる行動、話す言葉、考えること、思うこと、そういったものの積み重ねこそがスリリング。そしてそのスリルがとても煽情的でセクシー。そしてそれを体言するイザベル・ユペールがひたすら格好良くて、惚れ惚れした。
「ピアニスト」での名演を代表作に持つフランスの女優は、60歳を過ぎてなお攻めの姿勢を崩さない。誰にも説明のつかない女ミシェルを、誰よりも理解してその矛盾だらけの情念が滾る様子を魅せつけてくる。こういう役柄を演じるのに、ユペール以上の適任者は居なかっただろうと思うし、この役を演じたのがユペールで良かったと心から思った。
社会的地位も成功も手に入れた賢い女は無敵
面白かったなぁ。この映画。 気に入らない男たちをこの世から葬り去る女性ミシェルの物語 自らの手で殺すのではなく、結果的に男たちがこの世から消え去っただけ 彼女の生き方は、倫理、道徳、正論などのあらゆる常識を超えたところにあって 常に自分に正直に生きることで、道を切り開いてきた 欲望も願望も仕事も、彼女の気のおもむくままに、嘘のない生き方 そういうと、まるで悪女のようだけど、そうではなく 彼女は自立して、社会的な地位も確立された女性であって、だからこそ、恐ろしい 彼女を困らせた男たちは、目の前から姿を消し 女たちは、新しい人生をスタートさせる そんな女たちのたくましさに、私は思わず微笑んでしまった 女を怒らせたら怖いんだよ
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