「フランスだからできた女性像!」エル ELLE さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
フランスだからできた女性像!
かなり前に観ました。
いやー、フランスはいいですね!
(フランスだからできた女性像ですねー)
『エル ELLE(2016)』
原題 Elle
(あらすじ)
エロゲー制作会社を経営しているミシェル(イザベル・ユペール)は、自宅に侵入して来た覆面の男にレイプされる。
しかし過去に父親が起こした事件により、幼少期に警察で嫌な経験をしたミッシェルは、通報することを拒む。
そんなミッシェルに、嫌がらせのメール等が届くようになる。
やがて犯人が分かったミッシェルと、その男との奇妙な関係に発展するのだった……。
監督がポール・バーホーベン!
あのー私、どんなに駄作と言われようとも、映画の9割は女優さんがトップレスであっても、主役のエリザベス・バークレーが巨大すぎで、ダンスシーンで男性の俳優さんがヨロヨロでリフトしても。
どーしても、バーホーベン監督の
『ショーガール(1995)』
原題 Showgirls
が、好きなんです!
この作品にも、主人公の友人が有名歌手にレイプされて、復讐でボッコボコにするシーンがあります。
バーホーベン監督の『トータル・リコール』『氷の微笑』にも、ドSな強くてセクシーなシャロン・ストーンいますけども。
で、今回の主人公ミッシェル、(内面が)激しいです。
ミッシェルだけではなく、その息子や、友人達も。
激しいだけではなく、笑っちゃう。
笑うっていうか、笑ってういいのか迷う感じですね。
例えば息子の生まれた子どもって、肌が黒い。
奥さんは浮気してるのに、息子はそこに全く触れない(気付かない)。
※おそらく息子の友人が、浮気の相手。
ミシェルの母には、孫くらいの愛人がいる。
とか、なんで?って(笑)
洒落にならない、苦い笑いなんですよねー。
ただ、父親は死刑囚?無期懲役犯?なので、大きな事件を起こしてるんですが、飄々と堂々と生きているイザベルは、ちょっと格好良くもあるんですよね。
このイザベルの前では、男達が弱く愚かに見えます。
けれど、そんな男達にもイザベルは優しい視線を向けたりする。
どないやねん!
分かんないんですよね。
サスペンスなのか?ミステリーなのか?
ジャンルに置きに行く作品ではないので、なんか落ち着かない。
町山さんは、ブラックコメディと仰ってましたけど。
まー、そうなんかな?
けどイザベルの快演に圧倒され、最後まで引き摺られる。
イザベル・ユペールと言えば、私の中で一番むなくそ悪い映画「主婦マリーがしたこと」の主演で、御年60歳オーバーですよ。
それなのに、このヌード!凄いです。
マリーは、フランスで最後の女性ギロチン処刑者ですね。実話でした。
まー、むちゃくちゃな価値観を持った女性でした。
今回も観客の価値観を根底から覆す、?なラストが用意されています。
覆すと言ったら大げさかな?
ただ、他人の価値観に縛られない、新しい女性像をバーホーベンは作り上げたと言っても過言ではないと思います。
てか、フランスだから、作ることができた女性像ですよね。