ノクターナル・アニマルズのレビュー・感想・評価
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陰惨
オープニングシーンが強烈です。グロテスクなんだけれど、頽廃的な美しさもどこか感じられて。これは何かのメタファーなのかと思いました。デザイナーがこういう映像を見せるのは衝撃的ですね。
そしてエドワードの小説。
スーザンと離婚した苦しみは理解できるけれど、妻と娘を殺されるこの話はあまりに凄惨です。
別れて20年にもなる元妻に一体何が言いたかったのか。ちょっとよくわかりませんでした。20年たって力強い小説を書けるようになったという事を示したかったのか。
今の夫役のアーミー・ハマーはイケメンで目の保養になりました。
全体的には怖かった。もう車の運転できません。クリスマスケーキもあんな体になったらどうしようと思うと怖くて食べられないです。
私にとってはあまり後味のいい映画ではありませんでした。
ん〜〜
これ評判いいので観てきました。
でも話がありきたりでイマイチ盛り上がらない映画でした。
若い男女が結婚して小説家を目指し中々成功しない男に女は見切りを付けて離婚、その後男は小説を書き上げ元の妻に送りつける。
その小説を読んで元夫に会う約束をして女は待ちぼうけって言うストーリーなので大した話でもなんでもない(^^;
ギレンホールは相変わらずいい役者さんでした^ ^
徹頭徹尾、ぶんぶんと心が揺さぶられた。
細部まで腑に落ちたという理解はまだできていないです。
それは分りにくいという意味ではなく、これから味わう余地があることへの喜びがある、そういう感覚です。
よくわかってないけどすごいものを見たという感想です。
そしてずっと気持ちがぶおんぶおん揺さぶられ、緊張感がヒリヒリと感じられる鑑賞となりました。
トムフォード「シングルマン」は見たいけどまだ見れていない映画の1つで、
エイミーアダムズもジェイクギレンホールもすきな役者なので、ノクターナルアニマルズは楽しみにしていました。
結構難しく、でも全く理解できないわけでもなく、自分の知識のちょっと先の挑戦できるレベルという感じで、
この作品を腑に落ちるよう分析できるようになりたいと思いました。
スーザンは、この映画で出会わなければ嫌いな女だったと思います。
エドワードを愛したものの、育ってきた環境の居心地を棄てられず、エドワードに寄り添えなくて、
ブルジョワ感のあるハンサムに鞍替えし、エドワードの子を堕胎した(本人にバレてる)。
こう描くとほんとお友達になりたくないタイプなんですがね。
でも恐らく40代の今、エドワードを棄てて選んだ人生の先で、行き詰っている。
仕事は成功したけれど夫は浮気中。なんかの経営が傾いてるとかゆってたけれども。
そんな中、エドワードから送られてきた新作小説。一人ぼっちの週末、スーザンはおもむろに読み始めます。
現在のスーザンの世界と、過去のスーザンとエドワードの物語と、スーザンが読んでいるエドワードの小説世界
この3つが入り混じる構成の物語です。
映像に違いが感じられるので、テロップなくても切り替わりにおいていかれることはなかったです。
エドワードは、妻と娘をレイプされて殺された男の小説を描きました。
それをスーザンに捧げました。
トニーが殺したのは、妻と娘を殺した男ですが、あの男はスーザンであるとも読み取れました。
もちろん、トニーの妻もスーザンだし、娘はスーザンが堕胎した子でもあると思って観ました。
彼女らを救おう、救いたいという気持ちと、妻と子を自分から遠ざけた元妻への憎しみとが、エドワードの描いたものなのかなと思いました。
ラストでレストランで再会しようとする場面で、エドワードが来たらばそれでもスーザンへの愛が勝ったってこと?と
予想しながら、見ていましたが、最後まで来ませんでした。
という事は、エドワードの復讐成ったってこと?と今は思っています。
果たしてその解釈でよいのか、あるいは。その辺りはもっと見て味わうものだろうと思います。
グロテスクと洗練が入り混じった美術・衣装・インテリア、どれも素敵で野蛮で引き込まれました。
スーザンの母を演じたローラリニー、彼女だって一瞬分らなかったけど、いい感じのいやな女ですごくよかったです。
テキサスの警官役のマイケルシャノンもとてもよかった。
犯人グループのロン毛の彼がすごかった。アーロンテイラージョンソンかな。私の中ではアンナカレーニナでの演技が記憶に残っています。
また、犯人グループの逮捕された巻き毛の男の子は、ネオンデーモンのカメラマン志望の男の子、ストーンウォールの故郷で主人公をもてあそんだ同級生男子役の子ですね。この子、印象に残る役をやっているなあと思います。名前覚えられへんけど。
怖すぎ
あまりにもアメリカの何もないところで見知らぬいわゆるホワイトとラッシュに襲われるという設定が怖すぎて、話の本筋があまり理解できないという、怖がりのお粗末ぶり。それにしても怖かった。絶対に夜中に性能の良くない車で人気のないとこ、特にテキサスとか走らない、と誓うのに忙しくて、エイミーアダムスのスーザンや、エドワードの心情が理解できなかった。逃げてはいけない、見捨てるのは、殺すのと同じなのか、等頭をよぎるが、わからない!ただ音楽があまりにも素敵すぎて、風景が印象的で、嫌いになれない。
人はどんなに成功したように見えても、火の車で哀れなものよ。
ノクターナルアニマルズの意味はなんだったのかしら?やはりよくわからないのに、深い映画のような気にさせる作品でした。本当のところは、ものすごくシンプルな話なのですが、、、
何が夜の獣だったのか
劇中劇の復讐はすごく面白かった。一転、現実の方の話がイマイチで、劇中劇が盛り上がってきたタイミングで、はっ!って言うお姉さんが出てきて特にドラマも無くもだもだするという、なんとも乗り切れない感じ。不倫しているだろう夫とか、会いに来なかった元夫とか、中絶とか、色々あるのに感情移入出来ないせいでふーんて感じで終わってしまいました。
観る人の力量を試す映画
細かな描写まで、とても計算された映画だと感じた。
冒頭のスーザンが小包の紙で手を切るシーンだけでも、スーザンの空虚な幸せを表現しているのだと思った。2回も「紙で指を切っちゃった」って言ってるのに使用人は「大丈夫ですか?」の一言もない…
小説の中のストーリーの前半は
途中退席したいくらい、苦しかった。
妻と娘をレイプされ、そして殺されるトニー。
過去スーザンとエドワードが結婚していたとき
スーザンはエドワードに黙って子どもを中絶し、その上浮気をする。
エドワードにすれば、子どもを殺され、その上子どもを身ごもった体で浮気をしたのであれば
小説のストーリーのトニーに身に起きたことくらいの苦しみだったのかもしれない。
妻を寝取られ子どもも殺される。お前にこのつらさが分かるか?とエドワードは言いたいのかなと思った。
そして小説のラストは
トニーは復讐を果たすも目が見えなくなり、殺したはずのレイを見ることができない。
トニーはずっと夜の世界に引きずり込まれ、そして死んでしまう。
そして映画のラストは
エドワードと会う約束をして、セクシーな格好で結婚指輪を外し期待を膨らましてレストランで待つスーザン。
だけど、エドワードは姿を見せることはなかった。夜が続いていく中、最後はスーザンの瞳のカットで終わる。
「お前は何も見えちゃいない」という意味なのだろうか?
くぅーーーーーー!
いい映画だけど、もう観たくない!
あとさ、レイ役の人キック・アスの主人公だったんだね!
気づかなかった。
本を読む。ただそれだけのことが洗練されたミステリー。
「シングルマン」以来のトム・フォード監督第2作目。「シングルマン」は私の中ではその年のベストとして君臨し、未だにあの物憂げで悲しい程美しかった映画のことを思ったりするほど大好きな作品だった。そして第2作目となった「ノークターナル・アニマルズ」を見ても、やはりトム・フォードの美意識がきらめいていて、実に美しい映画だった。何しろトム・フォードだ。都会的な洗練された美意識が映画にも投影されて、それは西テキサスという、アメリカでも特に田舎の奥地を写し撮ってさえ、トム・フォードの演出がかかると都会的な質感がベールのように覆いかぶさる。そしてその洗練が「シングルマン」では中年の男の孤独とリンクし、今回の作品ではミステリーやサスペンスとリンクした。ファッション・デザイナーが映画の監督をするというと、ファッション誌的な華美を連想しがちだが(ジェナ・マローンの着用した衣装と「REVENGE」の美術品には若干そういう気配もあるものの)、トム・フォードは自身の美学を完全に映画的に応用しており、それがストーリーが併せ持つミステリーを呼応させる効果を生んだ。原作の小説もストーリーの大筋は同じようにエドワードの書いた小説とスーザンの現在と回想が同時進行で描かれる手法で映画と変わらないが、原作にはこの映画のような都会的な質感やソフィスティケートされた雅馴といったものは必ずしもあるわけではなく、いわばこの映画オリジナルなもので、おそらくはトム・フォードが付与したものなのだろうと思われる。映像を見ているだけでドラマティックだし、映画美術をみているだけでサスペンスフル。映画が瀟洒であればあるほど、どこかミステリアスでスリリングさを増していく相乗効果。改めて、ファッション・デザイナーとしての才能だけでない、映画監督としての才能を再確認する作品だった。
本を読み、思い出を振り返る。ただそれだけのことがこんなにもミステリーになるなんて。スーザンはただ、本を一冊読んだだけだ。それ以外のことは何もしていない。しかし、彼女の中にはあらゆる感情が沸き起こってくる。エドワードは、かつて小説家志望であることを打ち明けた相手に、ようやく完成した処女作を批評してもらいたかっただけかもしれない。そしてエドワードがしたことは、ただ小説を彼女に送り付けたそれだけだった。しかしスーザンは、彼の書いた小説を読みながら、彼の真意や他意を読もうとしてしまう。小説の登場人物、トニーはエドワードかもしれない。ローラはスーザンかもしれない。小説は愛かも知れない。いや憎しみかも知れない。いやそんなことはない。トニーはエドワードではないし、ローラはスーザンでもない。小説は愛でも憎しみでもないただのフィクションかもしれない。しかし本を読むという行為は、その物語を生きることであり、否が応でも自分自身と重なっていく。まして別れた夫が書いたものなら尚更。本と現実と記憶がどんどん混同されて眩暈のように巡っていくスーザンと共に、観客もこれは回想録なのか?スーザンへのメッセージなのか?それは愛の告白なのか、復讐なのか・・・?と、惑わされて行く。ミステリーとは、起こる出来事のことではなく、内面に沸き起こるもののことを言うのだろうと、この作品を観て思った。ミステリアスなことが起こり、ハラハラすることが起こるからサスペンスなのではない。自分自身の内面が、惑い、憂い、そして見えぬものを見ようとし、見てもないものを見たように思ったりすることが、ミステリーでありサスペンスなのだなぁということを強く感じた。それこそ、ただ本を読むというだけの行為でさえ。映画を見るというだけの行為でさえ。
そしてエドワードが書いたとされる劇中劇がまた息もつかせない内容で吸引力が高い。原作の小説でも、彼の小説の部分は読み始めると止まらなく魔力を持っていた。物語は悲劇の一途を辿り、正直不快でしかない。きっとスーザンも同じ気持ちだったろうと思う。それでもスーザンが心乱しながらもページをめくらずにいられない気持ちがよくわかるような物語が映画の中を並走し、それが現在のスーザンと過去のスーザンとフィクションの世界のスーザンとを絡ませていく。ここでアイラ・フィッシャーの起用は完全に確信犯。回想ではないけれど他人ではない人物を演じさせるのに、アイミー・アダムスとアイラ・フィッシャーを重ねるのはあまりにも絶妙過ぎてちょっとしたギャグみたいなもの。でも彼女ら二人を共演させる上でこれ以上ベストなやり方は見つからない。
ラブストーリーであり、ミステリーであり、心理サスペンスであり、心理ドラマでもあるこの作品。謎を残して終わるエンディングは、余韻となって良かったような、あらゆる解釈が取れるような、いや解釈の取りようがなくて不服なような・・・という感じがして、少し物足らない部分も残る。最後の約束は何だったのか?エドワードの本意は?そしてあの小説の真意は?とスーザンと同じ気持ちになったまま映画は終わる。ミステリアスな終わり方で好きだと思う反面、自分の解釈を取るにはもう少しヒントが欲しいような、そんな気持ちにさせられたものの、都会的な大人のミステリーを味わう洗練された作品で、やはり私はトム・フォードを好きだと思った。
圧倒された
オープニングは、「あれ」そのものが作品なのではなく、メタファーだと思った。そう解釈しても成立するのでは?
自分は、ストーリーと毒気に気をとられすぎて、映像の美しさみたいなものを堪能する余裕が足りなかった。もう一度観たい。今後上映館が増えるのだろうか。
大人の男女の再会物語
あらすじを少しだけ読んで鑑賞
いい映画だけど最後だけ腑に落ちない
あと最初のシーンは何だったんだろう
それだけインパクトのある始まり方と終わり方
決してハッピーエンドではないけど、凝ったシナリオと作りになっていて深く味わいたい映画
怖い
スーザン(エイミー・アダムス)はアートギャラリーのオーナー。夫ハットン(アーミー・ハマー)とともに経済的には恵まれながらも心は満たされない生活を送っていた。ある週末、20年前に離婚した元夫のエドワード(ジェイク・ギレンホール)から、彼が書いた小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が送られてくる。
夜のハイウェイの運転中に、レイ(アーロン・テイラー=ジョンソン)らに襲われるトニー(ジェイク・ギレンホール二役)とその妻(アイラ・フィッシャー)と娘(エリー・バンバー)。家族を見失ったトニーはボビー・アンディーズ警部補(マイケル・シャノン)と共に行方を探すのだが、妻子は殺害されていた。トニーはアンディーズ警部補の協力を得て復讐を果たすのだが絶望のあまり自殺してしまうという内容だった。
彼女に捧げられたその小説は暴力的で衝撃的な内容だった。精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、それとも復讐なのか――。スーザンはエドワードと再開の約束をし、待ち合わせ場所のレストランの向かいが、彼は現れず。
この結末は様々な解釈ができて見る人一人一人で感じるものが違ってくはず。
アートディーラーとして成功したものの現夫の関係に不安を抱えているス...
アートディーラーとして成功したものの現夫の関係に不安を抱えているスーザンの元に前夫で作家志望のエドワードから原稿が送られてくる。それは”スーザンに捧ぐ”と冠された『夜行性動物』というタイトルの小説で、そこに描かれたバイオレントな世界を読み進めるうちに現実の過去と現在が混沌とし始める。
残念ながら今一つピンとこない作品。現実世界の過去と未来の隙間に小説に描かれた世界が挿入されるという描写に滲む既視感を突き抜けるものが何もなく、映像も凡庸で印象に残らない感じ。ファッション・デザイナーである監督の感性が唯一際立っていたのがオープニングタイトル。あまり見たくないしそもそも見たこともないものがたっぷり観られるので、その映像のインパクトをその後の話が超えられなかった大変惜しい映画でした。
全33件中、21~33件目を表示