「米国的父性」マンチェスター・バイ・ザ・シー あだじぇっとさんの映画レビュー(感想・評価)
米国的父性
マット・デイモンプロデュースで、ベン・アフリック弟のケイシーが主演男優賞とった作品。
もとはデイモンが監督・主演のつもりだったらしいが、Martian と予定が重なってロナガンに丸投げ、主演はケイシーに、となったらしい。
この交代劇は間違いなく吉であっただろう。
もともと気性が荒く口下手、対人関係をうまくこなせない子供っぽい性格、さらに自分の過失で言葉にできないほどの悲劇を招いてしまったリーには、おおらかで温かく弟も家族も深く愛する兄がいる。
その兄が心臓の病でぽっくり死んじゃう。
んだが、自分の病を知っていた兄は、息子をリーに託すと綿密な遺言を残していた....
リーの兄の他にも、米国的な善良で我慢強い父性キャラが多く登場する。
兄が亡くなったときの担当医師、パトリックの部活顧問教師、兄の遺言を預かった弁護士、リーの悲劇のときに面談をした警察官。
兄弟の友人であるジョージなど、しまいにパトリックを養子にするんだから、もうなんと言ったらいいか......
リーは素晴らしいロールモデルに囲まれながらも、そうはなれない自分にコンプレックスを抱き、なんとか壁を越えようとはするんだよねぇ ...
でも、I can't beat it なのだ ToT
I can't beat it なのだけれども、パトリックのための場所は作る、それが小さな灯火となって心に残る、というお話。
さらにどっしり賛美歌的な歌やクラシックがBGMで、なんだか古い映画を見ているような気もしないでもなかった...
そうそう、父性の濃い男性陣に対して、女性はアウトなのが並ぶ。
パトリックに言い寄る同級生女子たちや、彼女のお母さん、は序の口かな。
リーの元妻、リーの兄の元妻=パトリックの母
どっちも子供。
自分のことしか考えられないタイプ。
日本の女とは、だいぶ違う。
あ、病院ワーカーさんたちはしっかりしてました。