「愛する人と一緒にいたいだけ」ラビング 愛という名前のふたり ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
愛する人と一緒にいたいだけ
ラブの現在形がタイトルなのかと思っていたら、ラビングさんについての話だった。まあでも、愛について語る話でもある。アメリカにはこの夫婦の名前をとった、ラビングデーという記念日があるそうだ。
白人であるリチャードは、黒人のミルドレッドと相思相愛。肌の色は関係なく、ただお互いを好きなだけ。ちゃんと結婚して一緒に暮らしたい。そんな自然なことが、法律で禁止される(ばかりか、罰を受ける!)。彼らに協力する人も現れるが、私、この人は悪い奴だと疑ってかかっていた。だって、小ズルそうな顔してたし、事務所を時間借りしてたし。リチャードも信用してなかったよね。○○団体とか○○協会って、あやしい場合あるでしょ。だけど、結局まともなところで、志を持った人だった。ミルドレッドだまされてる!と心配してしまったが、杞憂だった。
リチャードが寡黙で淡々とした人物だったが、見張りをしたり、自分で家建てたり、本気で家族を守る姿に感動した。この2人がお互いに思い合うところを、子役とか使って子供時代から描いてくれたら、もっとピュアさが感じられるんじゃないかなぁ。代わりにLIFEのカメラマンがいい仕事してたけど。
アメリカの黒歴史である人種差別により、白人と黒人が結婚できなかった時代。バージニア州の判決文には笑える。黒人をアメリカ大陸に拉致してきたのは、どう言い訳するんじゃ。もといた場所に戻してみろ。まあ、リベリアではやったけど、これもまた争いの種になってしまった。一度動かしたものは、元の位置には戻らないのだ。いまだに差別はなくなっていないかもしれないが、少しでも改善されていると思うので、希望は持ちたい。
BS松竹東急の放送を鑑賞。吹替版。