マイ ビューティフル ガーデンのレビュー・感想・評価
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しかし『図書館では静かに』と言う司書の言葉に疑う者はいないのか? ...
しかし『図書館では静かに』と言う司書の言葉に疑う者はいないのか?
本を借りられる様な公共図書館は一般市民にその権利はある。つまり、税金で賄っている。だから、受験生などの勉強をするためにあるわけではない。
寧ろ、図書館の蔵書を使って、その場で議論するくらいが望ましい。
この映画の結末はあまりにも短絡的過ぎる。
『本来、雨を祝う国もあるというのにここでは雨宿りの場所を探す。この緑豊かな大地で雨は雨はもっとも大切な恵みだ。人間はそれを忌み嫌う』
この言葉が印象に残った。
隣人の教えてくれたこと・・
都会のおとぎ話のような映画です、英国の批評家は監督・脚本家サイモン・アバウドの描く世界をマジック・リアリティと呼ぶようです。
個性の強い登場人物たちですが違和感を抱かせない自然な演出、単に美しい風景を切り取るのではなく計算された構図とシーケンス、新玉のセリフ、特に主人公が書きかけの童話を語るシーンの字幕は秀逸ですこれは翻訳の「原田りえ」さんの感性に依るところでしょう。
基本、出てくる人は全員善人なのですが完璧な人など現実の世にいる筈も無く心を開いて接してみなければ分かりません。
その変ってゆくプロセスが開花に似て心和み、萎れて後も実になり種になって続いてゆくのです。整然とした秩序に拘り、メカニカルな造形に惹かれる主人公に隣家の老人がサルビア、カンナ、ダリア、クレマチス、ユリや猛毒のトリカブトまで植えられた自宅の庭を案内します「美しい秩序を保った混沌の世界だ、乱雑ではない混沌だ、この違いを知らなければならない・・」。
元来イギリス固有の草花は乏しく16世紀頃の植民地に咲く色とりどりの草花に魅せられて移植されたのがガーデニングの始まり、産業革命で農村から都会に移った人々が故郷の野山を懐かしんで自然な趣の庭づくりに変っていった。
貴族の愛でた幾何学的なフランス庭園様式とは趣を異にする。英国王立園芸協会が主催するガーデンコンテスト「チェルシー・フラワーショー」では日本風の庭園が優勝に輝いてもいる。
単に立ち退き逃れの庭木の整理なら職人を入れれば済むことと言うなかれ、庭の風情は住む人の心の風景でもあるのだから、そして何よりも主人公は庭の再生を通して一歩踏み出す勇気を培い、念願の童話も上梓できました。サイモン監督のスクリーンというお庭、素敵でした。
機内上映にて
台湾行きフライトで見ました。
幻想的な童話のような美しくへんてこなアナログ世界、でも普通にバスとかのインフラは現代のものなんですよね。その辺のアナザーワールド(?)感は良かったです。
特に何か感動的なストーリーがあるわけでも無く、みなしごというバックグラウンド情報もベラの人物描写に深みを与えていないです。
足長おじさん的なおとぎ話。個人的にはヴァーノンとくっついて欲しかったです(笑)
ストーリーは☆2.5だけど、絵本を映像化したようなビジュアルの美しさに3.0です。
爽やかな春風のような優しい映画。まるで大人のための絵本のよう。
イギリスが定期的に世に放つ、良心的で優しい小粒なコメディの佳作。憎たらしい隣人との心の交流も、心優しい青年との触れ合いも、さりげなくて爽やかなロマンスも、そしてちょっと風変わりなヒロイン像も、そしてストーリー自体の展開もすべてが予定調和ではある一方で、その予定調和が心地好いと感じられる嫌味のない可愛らしい物語。それこそ絵本をめくるような感覚で疲れた心をふと癒すような大人のためのお伽噺。
1か月以内に庭を美しく手入れしないと退去を命じられた植物嫌いのヒロインが口うるさい隣人の力を借りつつ美しい庭をつくろうと奮闘する・・・だなんて設定はもはやどうでも良くって、内向的で風変わりなヒロインが庭づくりを通じて人々と触れ合い、太陽の下で背伸びをし、小さな恋に胸を高鳴らせるその様子を、ただただ微笑ましく見つめていられればいい。ただそれだけの映画であることが、逆に心に負担をかけずにのんびりと眺めていられる快適さ。映画自体が温かい春風みたいに気持ちいい。
とは言え、あれだけヒロインが苦労した庭を嵐が壊し、その後たった一日でしかもヒロイン不在で美しい庭を作り上げてしまうのはいくらなんでも・・・ね?と思ったけれどもさ。けどやっぱり憎めないこの感じ。恋の相手のよからぬ噂を「双子」で解決させてしまう結末に、腹が立つどころか思わずくすっと笑ってほっこりしてしまった時点で、この映画の勝ちということ。
ヒロインを演じたジェシカ・ブラウン・フィンドレイも夢と現実の中間にいるような存在感が作品によく合っていたし、さすがのトム・ウィルキンソンがともすれば平和ボケしてしまいそうな物語をピリッと引き締めてくれていてとても良かった。
全体的にとても爽やかで清涼感があり、何だか体から毒を抜かれていくような優しさで作られた映画だった。採点はそんな心地よさから、ちょっと甘めに☆4つで。
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