「千葉県産青春映画の傑作」打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? よねさんの映画レビュー(感想・評価)
千葉県産青春映画の傑作
夏休み中の登校日。夜の花火大会を前にバカな中坊達はある疑問に取り憑かれる。打ち上げ花火は横から見ると丸いのか、平べったいのか。会場の真横にある灯台から観察して確認しようと盛り上がるが、祐介はクラスメイトのなずなとプールサイドである約束をしてしまっていた。そんなことも知らずに帰宅した典道は自分の部屋で勝手に寛いでいる祐介に驚くが・・・からの青春ジュブナイル。劇中で暗示され、試行される”もしも"が浮き彫りにするなずなの悲しみ。なずなを助けようと何度も時間を遡る典道。青春モノとタイムリープは本当に相性がいいわけですが『時かけ』的なジュブナイルというよりも、崩れ行く幻想的な世界を駆け抜ける様は『エターナル・サンシャイン』のような突き放されたような切なさに満ちてます。
基本こういう映画は子供向きの体を装ってアラフィフを罠にかける落とし穴なので、逃避行の最中でゆずなが口ずさむアノ歌がいきなりボディブローを浴びせてきます。兎にも角にもなずなの神秘的な美しさがシャレになっていないので、これを青春期に観た子供たちが羨ましくてしょうがないです。『百瀬、こっちを向いて。』と並ぶ千葉県産青春映画の傑作だと思います。
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