「絶対に関わってはいけない人に関わるとこうなる」ダウンヘル　Minaさんの映画レビュー（感想・評価）

自転車レースの練習中に遭遇する恐怖を描いたホラー。
…監督はきっとホラーが好きなんだろうなぁと思いながら最後まで鑑賞させて貰ったが、言うほど悪く無いと個人的には思った。悪評ばかりで期待ゼロでの挑戦ではあったが。
本編もそれ程長くなく、サクッと観れるのだが、そんな本編に対して人物描写が長く、以前の練習中に仲間を亡くしてかなりそれが効いてる主人公の描写だったり、空港で自転車が無くなり、てんやわんやになる描写だったり、（このシーンだけPOVなのだが、ゲリラ撮影だったのだろうか…）いちいち事が起こるまでの説明が長くて前半は観る作品を間違えたのかと思う程のペースだったが、後半は何とか持ち直してくれた。だが、ここまでおよそ45分くらい割いているので、80分弱の本作においてはやや丁寧に描き過ぎではないか…

森の中に壊れている車の中に1人の男がおり、大怪我に加えて身体に無数に発疹が出来ていて、明らかに何かに感染している様子である。この人を助けなくては！は正しい感情だが、そんな人物を担いで助けようなんて、正義でも何でもなく、鬼畜の所業である。
感染症というものがどれ程怖いものなのか、コロナ経験後の全人類は良く分かっているだろう。コロナ前の作品とは言え、一般常識的に普通触るか？と非常に気になってしまう。その男性は結局ウイルスに侵された上、体から触手みたいなものが生えて絶命してしまうが、それを追う謎の集団からも攻撃を受け、主人公らは次々と命を落としていく。この集団が何なのか、"それ"の正体は何なのか、それらははっきりとはせずに終わるのはまぁ不条理な恐怖と暴力という恐怖度を煽るのには適しているが、登場人物らのアホさが目立ってしまい、結局前半に丁寧に描いた人物描写も活かせずに終わってしまうのは残念だ。だが、低予算の割にはグロに全力投球で、一応ホラー作品としてそれなりに観ることが出来た。人には勧めにくいが、期待値ゼロという条件でホラー好きであれば観ても良いかも知れない。