ムーンライトのレビュー・感想・評価
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ムーンライトか…。
光明
冒頭では過剰なカメラワークが目立ったが、それを補って余りある美しいカットの数々。
Boris GardinerのEvery Nigger is a Starに始まる秀逸な楽曲。
役者の演技に至るまで、非の打ち所がない。
体を鍛え、金歯を装着し、高級車に乗る事で弱い己を守るが、それは望んだ行為でも選んだ道でもない。
だからこそ愛する者の手料理を前に金歯を外すシーンがとても美しい。
還る海を得た彼の人生は、月明かりに照らされ青く光る。
だが、時代毎のワンシーンを繋ぐだけでは、真に彼の心に寄り添う事は困難であり、カタルシスも生まれない。
また、オスカーからアメリカへのメッセージである事は否めず、我が国に於いて彼の国と同じ様に響く事は無いだろう。
考えさせらる
重要ではあるが、時代や国境を超えるとは思えない
あれほどの感受性と得難い人達との幸運な出会いを持ったシャロンが結局は強面(コワモテ)のヤクの売人になる。それがシャロンの選択なのか、それ以外に道が選べなかったのかわかりませんが、この成長物語から読み取れるのは、希望よりは絶望でした。
経済的な階層固定化が、かなりの確率でその後の人生の選択肢を狭めている現実を改めて突きつけられました。
当事者でないと、ついつい気がつかないフリをしてしまうようなテーマを芸術作品として完成度の高いものに昇華することで、世の中の耳目を集め、為政者(特にトランプ大統領⁉︎)や社会を動かしている階層の人達、そして映画を楽しむことができる程度には生活に困っていないような人達(つまり、我々のことだ(^。^))に再認識させるための作品なのかな、と思いました。
日本におけるイジメは仲間はずれとか、ネットでの匿名攻撃のような陰湿なものが多いし(だからと言って直接的な暴力の方がいいということではない)、親子の問題もドラッグよりは過干渉のような子離れできない親とか引きこもりの方が現実的で、正直切迫感はなかった。
今のアメリカを読み解くのに重要な作品であることは間違いないと思います。
深い葛藤と苦悩と愛の物語
主人公の心の変遷と柔らかな表現、美しい映像が醸す透明な空気感。素晴らしい。
物語に奥行きがあって、見る人の解釈も許容しつつ許しと愛に向かって行くストーリーは立場主義趣向の違いに関係ない普遍性に満ちていた。
ゲイという大きなテーマを描いた本作は、LGBTという重い、アイデンティティの確立と尊厳に関わる問題を真摯に描けていると思う。
多勢の人の趣味趣向好き嫌いとは別に、守られるべき少数派の趣味趣向はまだまだ白眼視され軽視されるのが現状だ。
本作ではそこにさらに様々な社会的問題がのしかかる。
それらの誰しもが関わりうる現実の冷酷な一面が見る人自らの行いを振り返らせ、
数は少なくとも周りに現れる、苦悩に理解を示してくれる人々の優しさと愛は、自らもこうありたいと思わせるだろう。
大きなテーマは重くなりがちだが、叙情的で詩的な映像美や様々な映像の仕掛けが、全体に流れ・緩やかなリズムを生み出し、飽きずに疲れず見切ることが出来た。
ガスヴァンサントに例えてた人がいたけど、近いものがある。
ただやはり重く少数派のテーマな分、感情移入はしづらい。
考えさせられる部分、理解しきれなかった部分も多い。
この詩的な表現が受け入れられるか、どんな人でも関係のない苦悩そのものに感情移入できるかが評価の分かれ目かと。
初見は星4つで!
よくわかりませんでした
どういう映画か、楽しみにいきましたが、なんのことやら、わかりませんでした。
共感できるところもなく、取り立ててあたらしいこともないように思いました。
ぼくには合わず、観ている途中から、気持ちわるくなりました。
リトル、シャロン、ブラック
余韻が残る映画
ガス・ヴァンサントのエレファントを見た時のような感覚。
すごく静かなのにすごく力強いというか…。
もう終わり?と思ったら2時間経ってた。
様々な、しかも重い、要素を詰め込みすぎなんじゃないのか、という不安があったのだけど、
それぞれがぶつかり合うことなく、
彼が生きているのが当然のように
彼の回りに存在していることとして描かれていた。
確かに、誰でもいろんな事を抱えているけど、
いつもドラマチックとは限らない。
そんなことを淡々と、力強く描くよい脚本だった。
3人のシャロンは、みんな目が特徴的で、
特に大人になった彼には驚いたけど、
目はどこか昔のままというか、
似てないんだけど、
悲しみのようなものが見えて良かった。
余韻が残る映画。
ははーっ、終わりかぁ
"In Moonlight Black Boys Look Blue"
単館上映でひっそり評価される感じ・・・
アカデミー賞作品賞を獲った事で、注目度がアップ!!
取り敢えず観ておかないとって事で鑑賞しましたが・・・
崩壊的な家庭で育つ少年の幼少期・学生期・成人期の3部構成で描かれており、日本の環境からは想像もつかない現実描写が、リアルで向こうでは評価されたのかも知れませんね。
母がヤク中、自分に優しいオジさんは、母親にヤクを売る売人、執拗なイジメ・・・そして逆ギレ
軟弱な少年が、紆余曲折を経て、最後はレスラーのような筋骨隆々になり不器用ながら再会した幼馴染に告白するまでが、淡々と描かれていて映像美も含めて、内容とは別に心穏やかに睡魔に襲われました^^;;;;;
この作品の軸は、彼がゲイであるって事なんですが、描写や感情表現が繊細過ぎて、感情移入するのは・・・難しかったです〜☆2.8
観る人の観かた次第
青
こんな時代の傑作
アカデミー作品賞に異論は無い。こんな時代の作品の在り方としては完璧。観る者に「自分の道は自分で決めろ/他人に決めさせるな」と力強く説き「君は君のままでいいんだ」と肩を抱いて寄り添う。『沈黙 -サイレンス-』と同じく弱き者(こそが強き者でもあるが…)を救う傑作!
アカデミー助演男優賞にも異論は無い。本作のマハーシャラ・アリはいわゆるメンター。1番近いのは『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のマシュー・マコノヒー。序盤の僅かな出番だけで作品そのものを支配し続ける
映像の美しさも凄い。画面全体が青み掛かったこの感じはキタノブルーを想起した。調べたらデジタル撮影で後からカラーリングを弄ったらしいけどよくそこまで手間のかかることをするよな。本作がここまで詩情豊かな作品になったのは映像美によるところも大きいと思う
主人公シャロンのような黒人にスクリーンで出会ったのは初めて。人物造形から既に他の作品群とは一線を画している。まあ脚本家の半自伝的作品らしいけど
新しいラブストーリーの傑作として映画史に残るだろうと思う。正直映画史に残らないであろうアカデミー作品賞受賞作なんて結構あるもんな
薬に溺れる母親に明日が見えない子供時代、そこに初めて頼れる大人が現...
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