ムーンライトのレビュー・感想・評価
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作風は好み
主人公の生きた三つの時代、影響を受けた2人の人物、特殊な環境(親、学校、性など)と自身の性格、様々な外的内的要因に翻弄されながら成長してゆく過程をじっと見守る。そして映画が終わった後も彼の人生は長く続いてゆく。ただしその人生が長いかどうかは保証ができないが・・ということを考えると、まだ見ぬ切なさが堪らなく感じる。青く光るそれは決して力強い光ではなく、脆さ、儚さ、弱々しさを感じさせる光。無垢な黒人として生まれたサガが映画全体を支配し胸を詰まらせる。作品に共感できるかというと、そこまで入り込めなかったが、全体の空気感や映像のテイストなど作風は私の好み。
音楽や色彩感覚が印象に残る作品
黒人少年の半生に釘付けになることは勿論、鮮やかな色彩感覚と耳に残るソウルミュージックが因子雨的な作品です。主人公のリトル役が3人、入れ替わりますが皆何処と無く面影が似ていて好キャスティングではないでしょうか。しかしアカデミー賞も、決して万人受けしない玄人好みの作品を選んだものですね。
美しい不幸
アメリカの下層黒人の貧弱男子を、静かに追った物語。描かれているのは貧困とドラッグ、イジメ。
あまりに不幸が美しく描かれていて、つらい。月夜が美しい。シャロンの鍛え上げられた身体が美しい。ただ、シャロンの鍛え上げられた身体は、自分の弱さを守る盾でしかないんだと思うと、切ない。
こういう映画がもっと増えて欲しい
淡々と静かに描かれる少年の最悪な成長過程。無口な少年は物言いたげな表情しか見せない。序盤の親切にしてくれたおじさんは?少年のどん底からのし上がり体験記?色々思いを巡らせるがそんな単純な作品じゃ無かった。劇中最後、成長した彼のセリフに救われない気持ちを集約してぶつけられたような気がして、エンドロール中号泣してしまった。これから彼に癒しは訪れるんだろうか?
アカデミー作品賞に相応しい本当に考えさせられる良い作品でした。とって付けたような悲劇やハッピーエンドが無いこういう映画がもっと増えて欲しい。
逆じゃね?
アカデミー賞で意見が割れて作品賞と監督賞が別の作品になることは珍しくないが、ムーンライトが作品賞取るなんておかしくね?と映画見て思った。作品賞って一番重要な賞だからこんな映画にあげてはいけないだろ!作品賞はラ・ラ・ランドで監督賞がムーンライトの監督だったらまだ納得がいく!逆だろ逆!あと助演男優賞もなぜコイツが?と映画見て思った。黒人に配慮しすぎじゃねーか?白黒関係なく優秀な作品や人にオスカーを与えるべきではないか?散々言ってきたが決して悪くはない作品だと思う。期待が大きすぎたのが良くなかったのかもしれない。
過酷で厳しい
重いと聞いていたからかか、意外と淡々な作品と感じました。少年時代のイジメや母親との関係 そんな中売人とその彼女との出会い 唯一の親友 しかし高校においては、また違う苦しみが 青年期で彼は一変した身体で登場する。そしてかっての親友との再会 彼は言います。すぐうつむく癖は、変わらないなあって!思わず彼は、ニャリとします。
シャロンの目とフアンの目
何とも言い得ない鑑賞後感。期待してたんだけどなあ。この映画を評する人が映像の色の美しさに集中しているのはそういう訳かな?
あとフアンのなんとも暖かい眼差しは確かに良かった。話しかけても喋らない子供に怒り出すんじゃないかと冷や冷やしたが、表情ひとつ変えず、ニコニコしながら気長にシャロンが話すのを待っている。自分の子供時代の姿をシャロンに投影してるからだったんだね。
貧困、差別の世代を超えた連鎖、
そして怯えて警戒しているようなシャロンの上目遣いが切ない。そんな少年時代のシャロンのイメージそのままの青年時代の役者。よく見つけてきたなあ。それだけに大人時代のシャロンには驚いたw
それから、ケヴィンの立ち位置が良く判らない。普通に女が好きな男だったし、両刀使いとも思えなかった。包容力がありすぎるのか?流されやすい性格なのか?
アメリカ社会の闇
そう感じるか愛を知らない少年のラブストーリーとみるか、差別と貧困に生きるヒューマンドラマとみるか いろんな事を思い巡らす作品だった、予想した内容とは違った、ドラッグが繋いでいる人間社会だがそこには愛も自由も確かに存在した、その裏で悲しみや踠き、弱者の悲鳴さえ聞こえる気がした。静かな月明かりの下だから人間の本質が見えてくるのかも。
ただアカデミー受賞作品とは思えない、黒人社会への媚び。ブラッドピッドは何故この作品を手がけたのだろうか?
貧困と貧しさ
大国アメリカの持つ怖さ。環境、教育が人を造る明らかな事実をまた知ることになる。しかし、オスカーは何故に大作娯楽を拒否するのか。ここにもアメリカの貧困が見えるようだ。わが身に置き換えて反省。
ラスト1分間のための映画
シャロンの3つの時代と、マイノリティーの黒人社会を描く作品。日常を切り取ったようなリアリティとスローテンポな展開が良くも悪くも印象的だ。ラスト1分間が、映画全体を幻想的にさせる。
映画の中に引き込まれました
子供を取り巻く社会的課題が凝縮されて描かれている。逃れられない負のスパイラルの中にいる子供(若者)を描いていると言ってもいい。アメリカだけではなく、日本にも似たような状況はあるのかもしれない。
そういう重いテーマであるが、綺麗に、丁寧に、分かりやすく描かれていて、グイグイ映画の世界に引き込まれて行った。
抑え込まれた恋心の行方はいかに
波の音が
他に受け入れられる「自分」の
記憶を繋ぐ。穏やかに切なく。
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2017.4.6 TOHOシネマズ日本橋にて1回目
鎧を纏ったブラックが
長年抑え込んできたであろう
たったひとりにに向けた熱情と欲望。
静かな画面から
じんじんと伝わってくる
沸点の高いエロティシズムに
観終えた後も胸苦しさが続いてる。
我が子への愛情を
うまく注ぐことのできない母親を
ナオミ・ハリスが好演。
親子の心が通い合うシーンは
感涙ものでした。
深い
情報量が少ないため、映画の中に気づいたら入り込んでいる。
主人公の情報はほとんどない。だんだんと明らかにはなってくるものの、最後まで完全には明らかにされない。そのことで映画の中に入り込む。自分たちも友人や知人のことをそこまで深くは知らない。その情報量はムーンライトの映画の情報量と変わらない。わかりにくい、というよりはより自分たちを映画の世界に近づけているのではないだろうか。
そして、シャロンの人生に大きく、深く関わってくる3人の人物の存在感。彼らを演じた3人の役者の演技力。深く心に突き刺さって抜けない。
シャロンの心情を言葉を使わずに説明する演出やカメラにも圧巻だった。音楽で、カメラでここまで心情を表現できるのかと思い、驚かされた。
シャロンは、母親の愛が必要な時に与えられず、他に愛を探した。愛はシャロンの中に満たされたようで満たされていない。大人になり、完全に生まれ変わったようだったが、幼少期の心の傷もなくなったのだろうか。
ケヴィンとのまっすぐで、純粋な愛の物語であり、ここまでまっすぐな愛に感心する。しかし、それだけではなく、人生そのものについて考えさせられるものだったのではないか。
私が読み取れたのはほんの一部であり、とてつもなく深い傑作だった。
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