ムーンライトのレビュー・感想・評価
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映像は綺麗だが物語はごく平凡
黒人コミュニティ、ドラッグ、同性愛、家族の機能不全などをテーマとしているが、どれも中途半端で掘りが浅く、「現代社会の諸問題をとりあえず詰め込んでそれっぽく仕上げてみた」感が否めない。
この程度のテーマであれば10年前のドラマ『ザ・ワイヤー』にすべて含まれているし、あちらのほうがキャラクターの描き込みやリアリティ、細部へのこだわりなどの点でずっと優れていた。他にも例えば家族の機能不全なら『プレシャス』、同性愛なら『ブロークバック・マウンテン』などの良作があり、それらに比べるとこの映画はどの角度から見ても中途半端で見応えがなかった。
作風は好み
主人公の生きた三つの時代、影響を受けた2人の人物、特殊な環境(親、学校、性など)と自身の性格、様々な外的内的要因に翻弄されながら成長してゆく過程をじっと見守る。そして映画が終わった後も彼の人生は長く続いてゆく。ただしその人生が長いかどうかは保証ができないが・・ということを考えると、まだ見ぬ切なさが堪らなく感じる。青く光るそれは決して力強い光ではなく、脆さ、儚さ、弱々しさを感じさせる光。無垢な黒人として生まれたサガが映画全体を支配し胸を詰まらせる。作品に共感できるかというと、そこまで入り込めなかったが、全体の空気感や映像のテイストなど作風は私の好み。
音楽や色彩感覚が印象に残る作品
黒人少年の半生に釘付けになることは勿論、鮮やかな色彩感覚と耳に残るソウルミュージックが因子雨的な作品です。主人公のリトル役が3人、入れ替わりますが皆何処と無く面影が似ていて好キャスティングではないでしょうか。しかしアカデミー賞も、決して万人受けしない玄人好みの作品を選んだものですね。
美しい不幸
アメリカの下層黒人の貧弱男子を、静かに追った物語。描かれているのは貧困とドラッグ、イジメ。
あまりに不幸が美しく描かれていて、つらい。月夜が美しい。シャロンの鍛え上げられた身体が美しい。ただ、シャロンの鍛え上げられた身体は、自分の弱さを守る盾でしかないんだと思うと、切ない。
こういう映画がもっと増えて欲しい
淡々と静かに描かれる少年の最悪な成長過程。無口な少年は物言いたげな表情しか見せない。序盤の親切にしてくれたおじさんは?少年のどん底からのし上がり体験記?色々思いを巡らせるがそんな単純な作品じゃ無かった。劇中最後、成長した彼のセリフに救われない気持ちを集約してぶつけられたような気がして、エンドロール中号泣してしまった。これから彼に癒しは訪れるんだろうか?
アカデミー作品賞に相応しい本当に考えさせられる良い作品でした。とって付けたような悲劇やハッピーエンドが無いこういう映画がもっと増えて欲しい。
逆じゃね?
アカデミー賞で意見が割れて作品賞と監督賞が別の作品になることは珍しくないが、ムーンライトが作品賞取るなんておかしくね?と映画見て思った。作品賞って一番重要な賞だからこんな映画にあげてはいけないだろ!作品賞はラ・ラ・ランドで監督賞がムーンライトの監督だったらまだ納得がいく!逆だろ逆!あと助演男優賞もなぜコイツが?と映画見て思った。黒人に配慮しすぎじゃねーか?白黒関係なく優秀な作品や人にオスカーを与えるべきではないか?散々言ってきたが決して悪くはない作品だと思う。期待が大きすぎたのが良くなかったのかもしれない。
うーん?
ララランドが好きというわけでもありませんし、ベクトルが違いすぎて比べられるものではありませんが、それでも、正直そこまで良いとは思いません。
なんでしょうね、人種とLGBTQ(これもどんどん長くなるな)を持ち上げないと、差別主義者扱いでもされるんですかね?映画とは全く関係ないところで、現在のアメリカを象徴している気がします。
アカデミー賞受賞なんて、無理やり持ち上げなければフラットに見ることができたんですけどね。残念です。
鑑賞後にフライヤーの意味がわかった
ストーリー性が浅く感情移入出来ないまま終わってしまいました。
ケヴィンに寄せる想いとかもっと深く描いても良かったのではないかと…。
ただケヴィンが働いているお店で再開してからのシーンはとても良かったです。
成人期のシャロンはフアンの風貌とそっくりになっていました。憧れていたのかな。
いじめられていた時代にあの危険地帯に逃げ込まなければフアン夫婦に出会えていなかった。彼にとっての心の支えになっていたのだと思います。
アカデミー賞のことはあまり良く分かりませんが私はラ・ラ・ランドの方が納得がいきます。
過酷で厳しい
重いと聞いていたからかか、意外と淡々な作品と感じました。少年時代のイジメや母親との関係 そんな中売人とその彼女との出会い 唯一の親友 しかし高校においては、また違う苦しみが 青年期で彼は一変した身体で登場する。そしてかっての親友との再会 彼は言います。すぐうつむく癖は、変わらないなあって!思わず彼は、ニャリとします。
TOHOシネマズ新宿にて観賞
青色のカラーリングが目を惹く。演技も演出も不足無し。
第ニ幕が熱い展開だっただけに、物語の収拾に終始する第三幕が惜しい。気持ちは観ているこっちも痛いほど、甘いほど分かるんだから、ジュークボックスの場面で切り上げても良かった。
シャロンの目とフアンの目
何とも言い得ない鑑賞後感。期待してたんだけどなあ。この映画を評する人が映像の色の美しさに集中しているのはそういう訳かな?
あとフアンのなんとも暖かい眼差しは確かに良かった。話しかけても喋らない子供に怒り出すんじゃないかと冷や冷やしたが、表情ひとつ変えず、ニコニコしながら気長にシャロンが話すのを待っている。自分の子供時代の姿をシャロンに投影してるからだったんだね。
貧困、差別の世代を超えた連鎖、
そして怯えて警戒しているようなシャロンの上目遣いが切ない。そんな少年時代のシャロンのイメージそのままの青年時代の役者。よく見つけてきたなあ。それだけに大人時代のシャロンには驚いたw
それから、ケヴィンの立ち位置が良く判らない。普通に女が好きな男だったし、両刀使いとも思えなかった。包容力がありすぎるのか?流されやすい性格なのか?
アメリカ社会の闇
そう感じるか愛を知らない少年のラブストーリーとみるか、差別と貧困に生きるヒューマンドラマとみるか いろんな事を思い巡らす作品だった、予想した内容とは違った、ドラッグが繋いでいる人間社会だがそこには愛も自由も確かに存在した、その裏で悲しみや踠き、弱者の悲鳴さえ聞こえる気がした。静かな月明かりの下だから人間の本質が見えてくるのかも。
ただアカデミー受賞作品とは思えない、黒人社会への媚び。ブラッドピッドは何故この作品を手がけたのだろうか?
貧困と貧しさ
大国アメリカの持つ怖さ。環境、教育が人を造る明らかな事実をまた知ることになる。しかし、オスカーは何故に大作娯楽を拒否するのか。ここにもアメリカの貧困が見えるようだ。わが身に置き換えて反省。
ラスト1分間のための映画
シャロンの3つの時代と、マイノリティーの黒人社会を描く作品。日常を切り取ったようなリアリティとスローテンポな展開が良くも悪くも印象的だ。ラスト1分間が、映画全体を幻想的にさせる。
映画の中に引き込まれました
子供を取り巻く社会的課題が凝縮されて描かれている。逃れられない負のスパイラルの中にいる子供(若者)を描いていると言ってもいい。アメリカだけではなく、日本にも似たような状況はあるのかもしれない。
そういう重いテーマであるが、綺麗に、丁寧に、分かりやすく描かれていて、グイグイ映画の世界に引き込まれて行った。
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