「静かな作品。セリフは限られている分、全てのセリフが良い。」ムーンライト ぽぽさんの映画レビュー(感想・評価)
静かな作品。セリフは限られている分、全てのセリフが良い。
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「黒人はどこにでも行ける」。ラストシーンでシャロンがレストランのドアをじっと見つめていた時、かつてフアンに言われたこの言葉がよみがえっていたに違いない。
レストランというのも大事なポイント。フアン、テレサ、ケヴィン。シャロンに食事を提供してくれるこの3人が、シャロンが心を許す数少ない人物である。
フアンがシャロンに水泳を教える映像が美しい。アメリカでは、黒人は泳げる人が少なく水難事故に遭いやすいことが社会問題となっている。フアンには、シャロンの命を守りたいという父性すら芽生えてしまっているのだ。「黒人はどこにでも行ける」というセリフにもつながってくる。昔は差別で入れなかった海にもプールにも行けるのだ。
「月明りに照らされ黒人の子供が青く見える」というのも詩的で良い…。シャロンとケヴィンが結ばれたのも、月明りに照らされたビーチ。フアンとの思い出の場所でもある。
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