「ピュアっ子の恋」ムーンライト なまこさんの映画レビュー(感想・評価)
ピュアっ子の恋
クリックして本文を読む
月明かりの下、裸足で波打ち際を歩くような……終始そんな静かな印象の映画だった。
主人公のシャロンが、言葉ではなく目で語る子だったからかな。
引っ込み思案なリトル、草食男子そのものという印象のシャロンを経て筋骨隆々なブラックになっても、中身は変わらない。
寂しさにじっと耐え成長したら、すっかりヒネてしまってもおかしくないのに、謝罪する母親を許してあげる優しさを失わずにいてくれたシャロンが愛おしい。
そんな彼だからこそ、初恋の君とうまくいったらいいのになと素直に思えたのだと思う。
ただ、現実的に考えると、売人になってしまったシャロンとバツイチ子ありのケヴィンがすんなりハッピーエンドは難しいだろうな……
そんなことを思ってしまったせいで、鑑賞後は妙にしんみりしてしまった。
世間の評判ほど素晴らしい映画だとは正直思わなかったけれど、心地好い冷たさというか静かさみたいなものがじんわり染み込んでくるような、なんともいえない余韻の残るいい作品だったと思う。
コメントする