劇場公開日 2017年3月31日

  • 予告編を見る

「アカデミー賞の中でもパンチが弱い良質な作品。」ムーンライト ハクタカさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アカデミー賞の中でもパンチが弱い良質な作品。

2017年5月5日
iPhoneアプリから投稿

ようやく見ることができました。
朝一の上映だったのですが、ほぼ満席。
関心の高さが伺えました。

久々に、どっぷり浸かって見ることができた作品でした。
味わい深いです。
主人公が寡黙なだけに、彼の内面を頭の中で考えることができます。
3部に分かれているという構成もよかったです。
変わるものは変わるし、変わらないものは変わらない。
一度しか肌を触れ合ったことがないという告白。
ずっしりきました。

ドラッグ、いじめ、黒人社会、貧困の格差、親のネグレクト、性的マイノリティーetc…様々な問題が詰め込まれていますが、決して大袈裟ではなく、アメリカの一部社会には、きっとこういう日常が普通にあるのだろうなと思いました。
目を向けていないから気付かないだけで、日本にもこういう暮らしはあるのだろうなと思いました。

「大変だ、大変だ!だから彼らを救おう」という、(24時間テレビ的な)押しつけがましいものではなく、ただ静かに淡々と流れていく映画に好感が持てました。

ハクタカ