「虐げられたマイノリティへの共感」ムーンライト 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
虐げられたマイノリティへの共感
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ゲイ、黒人、ドラッグ、ネグレクト、いじめ、、、およそ浮き上がれない人生の要素に囲まれた環境に育ったシャロンの人生を三部作で描く。彼の変わりように驚きながらも、そうなっていってしまった訳を思うと、胸が詰まってきた。
ジュークボックスでかけた曲は知らないが、あの歌詞には参った。楽し気で懐かしげな歌声が、とても悲しく響いてきた。
ただ、なぜフアンがシャロンにあそこまで優しくしたのか?が始めからの疑問にあって、どうも全体を受け入れる気分にはなれず。心を閉ざしたシャロンの姿に、かつての自分の境遇を重ねて手を差し伸べたくなったのか?
「月の明かり」は、万人に等しく降り注ぐ。
その明かりは、夜の闇から我が身を照らし出してくれるように、生きづらい人生の中の幸せを教えてくれる。
そして、黒人を青く映してくれる、つまり、自分を変えてくれる。
結局、シャロンにとっての月の明かりはフアンとケビン、っていうことか。
R15指定。だけど、それほどエグさは感じない。
むしろ、指定を受けてみることができない世代にこそ、この映画の中にある、真実のマイノリティの苦悩を教えてあげるべきだと思うが。
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