劇場公開日 2017年3月31日

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「台詞よりも行間と動作から…」ムーンライト ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0台詞よりも行間と動作から…

2017年4月1日
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鑑賞方法:映画館

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ラ・ラ・ランドを抜き、第89回アカデミー賞作品賞を獲得したということで鑑賞。
人種差別をテーマにした作品かと思ったら、主なテーマは同性愛。家族、いじめ、生活環境などのテーマも包括しながら、色彩美で重々しさを軽減しつつ、生々しく繊細に描いている。
まず一つ本作の特筆すべき点は、キャストの名演である。マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリスをはじめ、キャストの演技は申し分ない。これはバリー・ジェンキンス監督の撮影環境や気遣いなどが素晴らしかったのだと思う。
二つめはストーリーの内容というよりも、一人の主人公の心情を台詞よりも行間や動作から鑑賞者に読み取らせることに重点を置いてること。正直、ストーリー自体にはあまり魅力を感じなかった。だが、今まで見たどんなLGBT映画よりも、主人公の感情がひしひしと伝わってきた。繊細な主人公の気持ちを演出によって見事に描写していた。
ラストのシーンも個人的には最高だった。
アカデミー賞作品賞ではLGBTのテーマは暗黙のタブーとなっていたのを打ち破った本作。その所以は、本作がLGBTという垣根を超えた純愛ラブストーリーに仕上がっているからであると思う。

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ジンジャー・ベイカー