「”静”から生み出された美しさ」ムーンライト BARCA!さんの映画レビュー(感想・評価)
”静”から生み出された美しさ
主人公を3つの時間的視点から捉えた作品。
主人公であるシャロンの元には若年期から、同性愛、薬物中毒者の母親の育児放棄、そして学校での壮絶たるいじめとあまりにも重すぎる問題が降りかかり、それと向き合いながら大人になる…
日々平穏な日常を送る自分からはにわかに信じ難いほどシリアスではあったが、スクリーンから訴えかけられたメッセージの強さに圧倒された。
どんな人生だろうと選ぶのは自分だ、そう言われてるような気がしてならなかった。
キャストは割と少ないが、物語に関わる全員がこの作品に大きく影響を及ぼしており、見事と言うほかない。シャロンを演じた3人は同一人物が演じていると錯覚するほどそのキャラクターを巧く捉えていたように思う。また、個人的にナオミ・ハリスには強いインスピレーションを受けた。ボロボロでシャロンの人生に強く影響を与えた母親を演じたその演技は圧巻だった。
人生の根幹にある人間が人間たる所以みたいなものを感じる作品だったと思う。
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