人類遺産

劇場公開日:

人類遺産

解説

ナレーションと音楽を排して食糧の生産現場を見せつけた「いのちの食べかた」や、夜に活動する人々を描いた「眠れぬ夜の仕事図鑑」などを手がけてきたドキュメンタリー作家のニコラス・ゲイハルター監督が、世界70カ所以上におよぶ廃墟の姿を捉えたドキュメンタリー。高度経済成長を支えたマンモス団地をはじめ、かつては人でにぎわったテーマパーク、劇場など、人間の手によって作り出され、利用され、やがて放置されて朽ちていく世界の廃墟の数々を、ナレーションや字幕などによる説明、音楽を排し、人間の姿も一切登場させず、美しい映像とともに切り取っていく。「軍艦島」の呼び名で知られる長崎の端島など、日本の廃墟も映し出される。

2016年製作/94分/オーストリア・ドイツ・スイス合作
原題または英題:Homo sapiens
配給:エスパース・サロウ
劇場公開日:2017年3月4日

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(C)2016 Nikolaus Geyrhalter Filmproduktion GmbH

映画レビュー

4.0人間の"残り香"を漂わせ、朽ち果てた廃墟たち

2017年3月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

捨てられ、朽ち果て、ひたすら風雨に晒される廃墟たち。それらは、なぜか、正式に撤去されることなく、ほんの今まで人間が生活していた"残り香"を漂わせているところが、不気味で物悲しい。巨費を投じて建造された施設から、まるで神隠しにでも遭ったかのように忽然と姿を消してしまった人々は、その後、どこへ行ったのか?隣町なのか、宇宙の果てなのか。。今、そこには風が吹き、雪が降り、雨水が溜まり、野鳥や蛙たちが生を営んでいる。そう、そもそも地球は彼らの故郷であり、人間は次々と物を建てては移動していく旅人なのかも知れない。「人類遺産」とはよくぞ名付けた無言のドキュメントからは、そんな問いかけが聞こえてくる。

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清藤秀人

3.0期待してたほどでは...

2017年8月11日
Androidアプリから投稿

福島のくだりが長かった。
海外の景色、どこなのか知りたいけど分からない。
終わってから調べるほどでもないですが。
後半少し睡魔に負けました。

テレビのクレージージャーニーの奇怪遺産で見てるほうがワクワクはします。

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きょん

3.0今は朽ち果てた、人がいた痕跡の寂寥感

2017年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

写真でいいのではという評価もあるが、雨音、風のうなり、吹雪、時折画面をかすめる小動物などが、かつていた人間の痕跡で息づいているというのは、映像でしか表現できない。何とも言えない寂寥感と構図の美しさが心をかき乱す。個人的には場面転換で場所の説明等のキャプションを入れてほしかったと思う。人類の先行きのない未来を暗示するものであったとしても、やはり今日我々が共有し考える問題も含まれていたと思うので。

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つなやん

5.0ハードボイルド

2017年3月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

廃墟や、自然に埋もれてゆこうとする人類の遺物を記録した映像集。
数十秒~数分でカットが変わるのでありとあらゆる場所を堪能できる。
キャプションも音楽もない。
その土地土地での撮影当時の音を聴かせてくれ、その場にたたずんで眺めているような気になれる。

といっても、映像も音も、けして「静か」なものではなく、それぞれのシーンが雄弁に歴史を語りかけてくるような。
ぼーっと眺めているだけなんだけど、ほっとしたり、美しさに息をのんだり、まざまざと観察したり、ありし日の情景にまで思いを馳せたり、心は忙しなく旅をしていた。
観ているだけで辛くなる激しい砂嵐、人類の暮らしの痕跡がまだ色濃く残る部屋、朽ち果て自然に埋もれきってしまいそうな建物、いろんなシーンがあったが、共通して存在するのは光と風と人類の遺物。
それが幻想的でロマンチックに感じる不思議。
不思議で心地よい素晴らしい観賞体験でありました。
何回でも見に行きたい。。

軍艦島のかっこよさは群を抜いてました。
日本の風景も多くてなんだか嬉しかった。

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sannemusa