「金魚だったとは。」散歩する侵略者 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
金魚だったとは。
クリックして本文を読む
ゆらゆら泳ぐ冒頭の金魚から一転、民家で惨劇が起こり、
血まみれの少女がトラックの前をフラフラと散歩する…。
何だこれ?怖い~!と思いながら観ていくと冷えた夫婦
を軸にシュールで異様な日常が描かれていく。特に説明
もなく次々と侵略が進んで人々は概念を奪われるのだが、
夫婦の絆だけはどんどん満たされていくという超不思議。
宇宙人になった夫の言葉を丸ごと受け入れることからも
この妻は今もどれほど夫を愛しているかが分かり切ない。
黒沢監督お得意のホラーにちぐはぐな印象を持たせつつ、
渇いた笑いのままどうなるんだよこの先?と思わせるが
ラストはあまりにも予定調和。溢れんばかりの愛は地球
を救う(あのフレーズかしら)という強調は確かに感動的
だが、既にこうなるのを予期していた長谷川博己演じる
桜井が人々に「考えろ!」と必死に訴えていたのが印象的。
コメントする