「首チョップで『ワレワレハ・・・』」散歩する侵略者 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
首チョップで『ワレワレハ・・・』
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演劇芝居からの移植作品である。多分、今後もこうした話題に登った戯曲作品を映画としてリメイクしていく流れは続くのだろう。それが悪いという訳ではないが、問題は構造上、演劇と映画の決定的違いである『観客に想像力を要求する』ことにおいて、その辺りの組立て方にかかってることなのではないだろうか。具体的には、舞台という空間の中でいくつものシーンを展開する芝居と、実際にロケーションを変化させて話が進む映画。前者は観る人の想像、妄想は千差万別であり、後者はある一定の世界観を共有することになる。建付が異なる表現手段をどうやってコンバートすればよいのか、それこそエンターティンメント界では試行錯誤が続いているのである。
そんな中での今作。結論からいうと余り巧く組上げられなかったのではないだろうか。アイデアの一つである『概念自体の窃盗』というのが、これほど演劇的でありしかし映画的にはスケール感の小さいものになってしまったのではないだろうか。そのアイデアをベースに、『愛』という概念を主要テーマに構築するには盛り上がりに欠けるように思える。余りにも大風呂敷を拡げすぎたせいか、深みが感じられなかったのは非常に残念だ。
付け加えていうと、チョイ役の俳優陣の豪華なこと・・・ 無駄使いを禁じ得ない。
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