「涙無しには観られない素晴らしさ」ナミヤ雑貨店の奇蹟 れいさんの映画レビュー(感想・評価)
涙無しには観られない素晴らしさ
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本当に映画を見たのかと問いたくなるような酷評が多いが、個人的には素晴らしい大作。
ツッコミどころがいくつかあることは否定しないが、それらは物語の本質に関わる部分ではない。
あくまでも1冊の本を時間が限られた映像にする際に生じた粗であり、批判するための粗探しをしたい人でもなければ、何ら気にすることではない。
そんな些細なことが全く気にならないほど、作品に没入させる力がこの映画にはある。
山田涼介の演技が酷いというレビューも散見されるが、本当に映画を見たのかと問いたい。
山田涼介の実力について私は全く評価していないが、今回の映画には関しては全く違和感のないレベルの演技が出来ていた。
西田敏行や尾野真千子の演技はやはり圧倒されるものがあり、それに比べれば軽薄な演技には見えたが、そもそも配役的に「まともに就職もしていない孤児院育ちの半グレ」なのだから当たり前である。
ストーリーに関しては文句の付け所が見当たらない、流石は東野圭吾原作である。
演出も申し分ない、特に最後に半グレ3人が女社長に全てを話しに行くシーン。
話す場面をスッパリカットして、夢を叶えた姿と雑貨店の牛乳入れを設置した孤児院を見せることで「女社長へ全て話したこと」「それを女社長が受け入れたこと」「孤児院再興のため努力したこと」「半グレ3人組も改心して努力したこと」が端的に示されている。
もし説明する場面を1シーンでも入れれば、それは蛇足にしかならなかったであろう。
総じてレベルが高い作品に仕上がっており、このレベルの邦画がもっと出てくることを祈るばかりである。
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