「やーいやーい!お前の母ちゃんターミネーター!!」ユリゴコロ たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
やーいやーい!お前の母ちゃんターミネーター!!
突如婚約者が失踪した青年・亮介は、実家で一冊のノートを見つける。その中には恐ろしい殺人鬼・美紗子の独白が記されていた。
亮介と美紗子の運命が交錯するサスペンス・スリラー。
ノートに記された殺人鬼・美紗子を演じるのは『カイジ』シリーズや『GANTZ』シリーズの吉高由里子。
カフェを経営する青年・亮介を演じるのは『ピースオブケイク』『湯を沸かすほどの熱い愛』の松坂桃李。
美紗子が出会う青年・洋介を演じるのは『デスノート』シリーズや『怒り』の松山ケンイチ。
学生時代の美紗子を演じるのは『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『3月のライオン』の清原果耶。
亮介の婚約者・千絵を演じるのは『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』『暗黒女子』の清野菜名。
はぁーー、ア・ホ・く・さ…😮💨
ご都合主義的な展開にも程があるだろっ!いい加減にしろ!!!
前半のサイコ・ホラー的な展開にはもの凄くワクワクした。
リストカット描写とか本当に苦手なので、ゾワゾワヒヤヒヤさせていただきました😱
美紗子の少女時代を演じていた子役の女の子、平尾菜々花ちゃん。彼女天才ちゃう!?
対象を見つめる眼差しの恐ろしさが凄まじかった…。
美紗子の中学時代を演じていた清原果耶さんも凄く良かった。あの目は中々表現できないでしょう。凄く恐ろしかった…。
この2人に比べると、吉高由里子は…。別に吉高由里子が悪いわけじゃないんだけどね。あの猫撫で声でサイコパスって言われてもねぇ…😅
幼女美紗子がミルク飲み人形のケツからミルクを流し込むシーンなんて、本当に恐怖を感じた…😨
この人形遊びが、井戸の蓋に空いた穴に生き物を落とす遊びと、のちに美紗子が選ぶ生き方への暗示になっているあたり、非常に巧みなホラー表現だと思います。
消えた婚約者、実家から見つかった古いノート、恐ろしい殺人鬼の独白、次第に蝕まれていく亮介の精神…。
前半はサスペンス要素とホラー要素が絡まり合い、本当に面白かった!
…が、後半がクッソつまらない。結局異性愛と家族愛の安いメロドラマ(映画ライター・高橋ヨシキさんの言葉を借りると「子は宝だよ、おっかさん」映画)に収束してしまった。前半のワクワク返せっ!!
消えた婚約者も、ノートの真実も、想像しうる最も陳腐な形でフィニッシュ…。えー…。
どうせ美紗子は母親なんでしょ?→やっぱり母親でした。
どうせ美紗子に嵌められて少年を殺した青年が親父なんでしょ?→やっぱり親父でした。
どうせ亮介は人殺しなんてできないんでしょ?→やっぱり出来ませんでした。
…あのさぁ…。
まぁ展開が読めても面白けりゃ別に良いんだけどさ。もう少し裏切りが欲しかった。
親父さぁ、何年間同じ髪型なんだっつーの!!
唯一、木村多江の正体が実は美紗子だったという展開には驚かされた。
でもさぁ。
人を殺すことをなんとも思わないサイコパスであることと、ヤクザの事務所にカチコミかけて全員をぶっ殺せる戦闘力があることは別じゃね?
ターミネーターかっつーの。
せめてヤクザ全員皆殺し描写は、画として見せて欲しかった。そうすりゃあかなりのスプラッターホラーとして盛り上がれたのに。
そもそもこの映画って、どういう感情で観れば良いのかよくわからん。
家族の物語で感動させようとしているの?
でも、結局美紗子は子供殺しのこととか全く反省してない訳ですよね。
彼女は良心の呵責で苦しむわけだけども、それは愛する洋介を地獄に落としたことに対してな訳だし。
サイコパスをサイコパスとして描くのであれば、感動路線は捨てろよ。
それで感動するのは無理だよ。だって子供殺してんだもん。何を自分だけのうのうと愛に生きているんだっつーの。
そもそも、そんなに良心の呵責で苦しむなら自首しろバカっ!
美紗子とみつ子のやりとりはかなり良かった。
人を殺す事で生を実感する美紗子と、自らを傷つける事でのみ生を実感出来るみつ子。
この2人の恋愛関係にも似た結び付きこそ、本作で最も心を動かされた部分。
あぁ、成る程!だからタイトルが「百合心」な訳ね!と納得したのだが…。
ベタな家族愛の物語にするくらいなら、このまま正反対な2人による同性愛物語にしてしまえばよかったのに…。
ここから、この映画最大の問題点。
…あまりにもお話がいい加減すぎるっ💦
心を通わせた男性が、かつて殺人の罪を負わせた青年だった…。そんなことある!?
かつての職場の友人の婚約者が、偶然にも生き別れた息子だった…。そんなことある!?
そりゃ映画はドキュメンタリーでない限りは全て作り話ですよ。でも、これはいくらなんでも酷すぎるっ🌀
バカが場当たり的に作ったとしか考えられない。
これなら、最初から全て美紗子が仕組んだ出来事だった、とかにしてくれた方がまだ飲み込みやすいっす。
あともう一点。
亮介の運転が荒かったり、途中からかなり暴力的な人間になったり。
これは亮介が美紗子の血を引いているから、という感じで描かれていました。
これってかなりギリギリな描き方じゃないの?
そりゃあ、亮介は結果として殺人を犯さなかった訳だけど、後半はかなり狂気的な人間になってしまっていました。
殺人の罪を犯した人間の子供は、凶暴なDNAを有しているってこと?
サイコパスの子供もサイコパスになっちゃうの?
いやいや、そういう事じゃないでしょう。
そういう端的な考え方が、差別を産むんじゃないの?
本当に配慮が足らんわー…この映画。
前半1時間は体感時間30分、後半1時間は体感時間3時間。
前後半で極端に評価が分かれる、稀有な作品でした。
前半は本当に良かっただけに、後半の「子は宝だよ、おっかさん」展開が本当に怠かった…😅
物語は最悪だと思ったけど、前半が良かったのでスコアはこのくらいです。
😐「ぼそぼそ…。ぼそぼそ…。」
うん?何言ってんだかよく聞こえないな〜。聞き耳を立ててっと。
🤬「俺には殺人鬼の血が流れてるんだよっーーーー!!!!(クソデカ大声)」
ぐわーーーっ!!耳がぶっ壊れるー!!!
…これホントやめて。邦画あるあるっちゃ邦画あるあるなんだけど、本作はこれが多すぎ。
音量は一定に保ってくれ。耳が死ぬ。
おはようございます。
私もたなかなかなかさんと似たような感想をもちました
なかなか作品に入っていけないところがあって何故?何故('_'?) と思いながら見ていた気がします。
他の方のレビューがいいのですが…
私にはちょっと理解できない世界でした。
こんにちは。
はて、どんな映画だったかと思い出の過去を探りながらたなかなかなかさんのレビュー拝見、うー?あんまり思い出さない😩
思わず自分のレビュー見て あぁ〜と なんと⭐️四つ半。
記憶に残る映画と思い出になる映画って違うなぁとしみじみ。
たなかなかなかさんのレビューでゆっくり思い出しました、ありがとうございました。