「すごい入り込んでしまう映画」ユリゴコロ よしこさんの映画レビュー(感想・評価)
すごい入り込んでしまう映画
最初に見て思ったのは撮り方がうまい。
ホラー映画ではないのに、ホラー映画かと思わせてくる撮り方ですごく怖かったです。
リストカットのシーンが生々しくて見てられませんでした。
主人公が夢中になって読んでしまうユリゴコロの日記のように、こちらも夢中になって映画を見てました。
ユリゴコロは、幼少期の美紗子の聞き間違えの
ヨリドコロから来ていたんですね。
初めは完全なサイコパスのようでしたが
子供を産んで、心のよりどころを手に入れて
初めて喜びという感情も生まれたんですね。
殺人犯だということを忘れてしまうくらい、3人で幸せに行きて欲しいと心から願ってしまいました。
美紗子の変わる姿もすごく描かれていて、全てがひしひしと伝わってきました。
生き様が波乱万丈すぎて、初めて日記を読むシーンで
もしかしたらお母さんは美紗子なんじゃないかとか
カフェに来た知らぬ女の人は美紗子なんじゃないかとか
ドブのところで鉄の鉄板を落として殺してしまった時にいたのが、このお父さんなんじゃないかとか
だいたい全てよぎったこともあり、
だいたいよぎった通りになってましたが
どんどん吸い込まれました。
ドブのくだりを忘れていた時に、彼が昔子供を殺したんだ。
手が滑って鉄の鉄板が落ちて殺してしまったと言ったシーン、胸に刺さりました。
全て日記を読んだ後、美紗子に自殺させるために
こうするしかないと手を縛り重りをつけたのに
できなくて二人で泣くシーンでは、その時には
見ているこちらもすごく感情が入り涙が出ました。
松坂桃李さんの演技力がすごくて驚きます。
顔で感情が全て出てました。
人を殺してしまうという流れは分かってましたが出てくる人たちの使い方が予想と違くて、若い頃と今ので使い分けていたんですね。
この後、松坂桃李さんは、どんな思いで生きて行くのでしょうか。
良い映画という言い方は変に当たる映画ですが
見てよかったです。かなり引き込まれました。
演技派の方が出ていたのですごく見入ってしまいました。
手に汗握る作品でした。
美紗子は、お父さんも息子も本当に愛していたんですね。
血は関係ない。その通りです。