真白の恋のレビュー・感想・評価
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恋をした。ただそれだけ。
恋をしたら誰もが同じ気持ちになる。
好きな人ができた真白ちゃん。
とあることから過保護な両親。
口は悪いが応援してくれる従姉妹。
カメラを楽しそうに撮る真白を見て心が和らぐ油井。
誰しもが相手を想ってる。
誰も間違っていない。
だからこそ切ない。
前半はキュンキュンニヤニヤでしたが、後半はとにかく涙が流れる流れる。
ストーリー自体はシンプルだし、特徴がある訳ではないけれど、脚本のリアルさ、細かい設定や役者の表現力、富山の景色美にとにかく心を奪われます。
お店の名前も現地のままなようなので、ロケ地めぐりも楽しそう。
恋愛映画嫌いの人にもおすすめ
タイトルから「恋愛映画はちょっと…」と避けている方があるかもしれないが、この作品は真白の成長記だと思う。
でも、すんごく頑張って成長してキラキラしててって感じでもなく、ずーっと変わらないテンポの真白のままでいながらも成長している。
また、射水市(旧新湊市)の施設や店の名前がほぼそのまま出てくるから、わかる人にはそれも面白い。
舞台挨拶によると、2年前の2月にたった11日で富山シーンの全てを撮った映画だそうだ。
雪はクランクイン前日にようやくどっと降ったものだという(前日までなかったそう)
良い作品だった。また観たいな。
[追記(2018年1月8日)]
チュプキタバタで2度目の鑑賞。字幕が付くと、劇中歌の歌詞が更に心に響いた。また観たい作品という好印象は変わらない。
佳作です。
知的障害があったって、誘拐事件の被害者だったって、恋をする。いや、しなきゃいけないんだ。
登場人物たちは形はさまざまにみんな過去に傷を負っている。そんなこんなを抱えながら支え合って生きている。
なのに、だからか、みんな美しい。
ある者はたおやかに、ある者は凛々しく、ある者は背負い込んで、でもみんな美しい。まるで立山連峰が連なるように、それぞれが立っている。
自分も生き抜きさえすれば、何かしらの美しさを身に付けられるのだと信じたい。
脇の岩井堂聖子、おのれの過去を乗り越えんとする強さとそもそものやさしさを力強く演じて素晴らしい。
福地祐介、青年の好奇心と誠実さをくるんだ、まるで新緑のようなさわやかな風をスクリーンのこちらまで届けてくれる。まだ春が始まった頃のようなヨチヨチ歩きな春風でなく、夏も近い5月の風か。
緊張感が全編を通して保たれ、特に緊迫感、切迫感のほとばしる後半部、素晴らしかった。
良かった!映画館で観る価値大アリ!
観るとちょうどいい感じに心がもやもやして、だけど同時にあったかくもなります。
そのバランスが絶妙で、是非もう一度観たくさせられました。
そして、キャストが全部しっかりハマってる! いいわー。(何とかの約束みたいに合ってもない大御所並べてどーん、とは雲泥の差)
また、富山の地元の人間ですが、この話は富山で撮ったからこそ、映画館で観る付加価値がばっちり生まれた作品だな、となんだか富山が最近ロケ地によく選ばれる理由を納得させられました。
ストーリーにたくさん景色がからんで、直接自分の目で観ないとその美しさはテレビでは到底伝わらないものですが、このストーリーとともに映画館で観る山々は、地元の人間がいつも山々に絡めている感情に限りなく近い状態で触れることができると思います。「景色が綺麗な土地で恋」なら南国でもいいかもしれないけど、感情のマッチングが冬の富山にちょうどよいです。
撮影も気候とともに本当によく頑張られた、と思います。
障害、という観点では、田舎だからどうこうというわけではなく、他の方が言っておられるように、お嬢様でない子の箱入りの恋を描くためのすごく良いスパイスとして成り立っていたように思います。
とてもオススメです。
佐藤みゆきと岩井堂聖子
佐藤みゆきと岩井堂聖子のファンだからね、観に行くしかないんだよ。どんな駄作でも、この二人が観られたら元とれるし。
それで観に行ったらね、話もいいの。「軽度の知的障がいがある真白ちゃんが恋をしたら?」って話なんだけど、障がい抜きにして「箱入り娘の恋」として観ても成立してるね。
みんな真白のことを想って行動して、みんな間違えてないのに、それなのに悲しいことが起きちゃう。みんな良い人だから後から「そっかあ」ってなるんだけど、「じゃあ、どうすりゃ良かったんだよ」となると難しい。
それで佐藤みゆきと岩井堂聖子が演技うまいからね。はじめ佐藤みゆきの演技が「演劇臭するかな?」って思ったけど、慣れてきたらズバリはまる演技だった。岩井堂聖子は最初から最後まで圧巻だけど、特に長谷川初範さんとやり合うところが凄い。「その台詞、そのタイミングでその口調で言われたら泣くわ!」と思いながら観たわ。
これから色んなミニシアター回ると思うし、これから佐藤みゆきはどんどんメジャーになってくだろうな。
普通に生きたいと願う主人公と平穏に暮らしたいと願う家族の物語
地方に暮らす知的障害者を抱える家族と普通に生きたいと願う知的障害者の初恋を描いた映画で、地方で平穏に暮らしたいと願う家族と、そんな両親の気持ちを察しながらも自分の障害を気にしつつ、普通の大人の恋や東京等まだ見ぬ世界への憧れに葛藤し悩む姿を描いている。多くの事を語ろうとした映画ではないと思うが、主人公の無垢なイメージと雪で白くなった新湊の街の情景を重ねて、その地域に暮らしていこうとする家族の日常を自然な感じで描いていると思う。
自分も富山に住んでいる人間なのだが、地方には近所付き合い等、その地域に住む人にしか分からない社会が在り、世間体を気にし、常に人並み以上で在りたいと願う風潮も強い。
毎年、訪れる富山の冬の鉛色の空に閉塞感を感じて来たが、映像の中の冬の美しさに、その地域に営む人々の夢や希望を感じる。普通に生きたい、人並みの人生を掴むという細やかな夢は障害者に限った話ではなく、家族や地域で支え合う事で叶う夢なのかもしれない。
富山の上映初日で、関係者の舞台挨拶が在ったが、自主映画として撮影して、公開出来るようになるまで大変だったと思う。予算をかけられない映画で撮影に苦労したと思うが、映画の中に出てくる新湊の街の冬の情景が美しく、飾らないストーリーとその飾らないストーリーそのものを歌い上げた主題歌が巧く調和していて良かった。
若い世代の映画関係者が大きな映画館で公開出来る事を素直に喜ぶ姿に真白の美しさを感じました。地元に住む自分としても応援したいと思ってます。
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