ジャッキー ファーストレディ 最後の使命のレビュー・感想・評価
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大統領夫人の奇妙な選択
ジャクリーン・ケネディという実在の人物がどんな思いで夫の暗殺とその事後処理に向かったのかは、正直映画を観たからと言ってわかった気にはなれない。が、物語としてこの映画には、こちらの価値観がざわつくような奇妙さがある。
ケネディ家という同時代の王朝のような家に嫁いだがために、彼女は大きな選択を迫られる。ケネディ暗殺に際して、大統領夫人やケネディ家の一員という看板を背負い続けるのか、それとも自らの人生を歩むのか?
史実ではジャクリーンは再婚し、キャリアウーマンとしても精力的に活動した。が、この映画でジャクリーンがたどり着いたのは、大統領だった夫とケネディ家の威信を守る責任感に見える。その使命にどれだけの価値があったのか、正直自分にはよくわからない。
単純な自分探しのお話ではない。現代における貴族制度や選民主義といったものへの考察が、この伝記映画をより興味深いものにしているのではないか。と、いまだに迷いながらこの文章を書いている。
控え目なグレタ・ガーウィグが悲劇を緩和する
「フランシス・ハ」のガーウィグが大統領夫人をサポートする秘書を演じていて、実に良い。ポートマンが主役で、彼女に寄り添ってあれこれお世話をする立場なので、控え目なのは当然。それでも、ジャッキーが心細いときに「大丈夫」と励まし、「笑って」とアドバイスする。その笑顔の素敵なこと。つらく、やるせない悲劇の中で、ガーウィグの優しさ、愛らしさが救いだ。
もちろんポートマンも、ジャッキーの容姿や表情、なまり、吐息成分の多い話し方など、完コピ演技で奮闘している。ダーレン・アロノフスキー製作の影響か、「ブラック・スワン」を思わせるホラー風の演出も少し入ったり。
ケネディ大統領任期中と暗殺後の短い年月に絞って描いているが、ジャッキーはその後もギリシャの大富豪と再婚、さらに死別後はニューヨークで編集者として活躍するなど、波瀾万丈の人生を送った女性。彼女の生涯を鮮やかに描く映画もいつか見たい。
ナタリー・ポートマン迫真の演技
熱演だけど内容にひきつけられない
総合:60点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:55点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
ケネディ大統領暗殺直後のジャクリーン元夫人の数日間を描く。
暗殺があった後で、葬式をどうするのかといったそれぞれの立場の思惑があり、ジャクリーンもいかに亡き夫の名誉をどうするのか、アメリカの威信をどうするのか、悲しむ暇もなく決断を迫られる。自分の今後の地位をどう保つか、どう生活するのかも考えねばならない。ようやく大統領夫人という最高の地位を掴んだ後で、地獄に落とされてしなければならない元大統領夫人の仕事としてたくさんの後始末は、情報の少ない中で短い時間での決断の連続である。
そのような役をナタリー・ポートマンが良く演じていた。しかし作品中のジャクリーンの魅力はそれほどでもない。秘書を演じたグレタ・ガーウィグは良い演技だったしジャクリーンを支持する姿が良かった。
だが物語に動きが少ない。映像も動きが少ない。次はこれをどうするのかというのを部屋の中で喋りながら決めていくだけ。そしてそのことを記者に喋るだけ。決断をしたときにその決断がどのような結果をもたらしたのかについても描写が少ない。物語の展開が言葉での説明的になりすぎていて、私の苦手な舞台劇の映画化作品の演出にも似ている。
当時のジャクリーンは大変だったろうなとは思うが、それが作品としてすごく面白い内容ではなかった。映像・演出から受ける衝撃も少なかった。
チェンじゃないよ
フランス映画かな?くらい ネガティヴがすごい映画だった 勝手にすご...
昼寝代には高いよ。
不思議な映画
劇中に何度も流れ、エンディングでも流れる、悲しいような虚しいような不協和音の音楽が頭から離れません。
誰もが知るケネディ大統領暗殺事件。
その事件を大統領夫人の目線から描いており、おもしろい視点だと思いました。
大統領夫人を演じたナタリーポートマンが見事でした。
夫を亡くした直後は呆然としているが、その後夫の死を悲しんでいる暇もなく様々な対応に追われる。気持ちの整理がつかないまま、自分以外のすべての時間だけが進んでいってしまうという最愛の人を亡くした女性と、大統領夫人という立場の狭間でどうするべきか迷い苦しむ様子がとても印象的です。
悲劇的な事件を扱った映画ですが、大統領夫人の髪型、衣装の着こなし、またホワイトハウスのインテリアなど、上流階級の優雅な生活がみれて、映像としては全体的に美しいです。
カメラワークもズームアップで顔だけを撮って、表情を目で追いかけているように見せたり、パレードのシーンでは当時のテレビ画面の煩雑な映像で見せてリアリティを表現したり、さまざまな工夫が凝らされておりみていて飽きません。
題材、音楽、美術、カメラワーク含め、素晴らしい映画でした。
ただ、この映画は伝記映画であり、ハッピーエンドでもバッドエンドでもないので観終わった後不思議な気持ちになりました。感覚としては、初めに述べた不協和音の悲しげな音楽が与える印象とぴったりです。
【”JFKとLBJ” JFKの妻、ジャッキ―の夫の暗殺前後の姿を描いた作品。】
ー 今作は映画評価は低いが、私は非常に興味深く鑑賞。ー
・ジャッキーを演じたナタリー・ポートマンは勿論素晴らしかったし、ジャーナリストのインタビューに答える部分を軸に描いているのも良かった。
・ジャッキーの秘書を演じたグレタ・ガーウィグをこの作品で知った。
・未だに謎とされている、JFK暗殺前後が、良く分かる、歴史好きには、見応えある映画であった。
・JFK暗殺により、急遽大統領になったLBJのエア・フォースワンの中での就任式など印象に残る場面が多々あったなあ。
<今作鑑賞後、JFKの暗殺により、急遽大統領に就任したLBJの映画「LBJ ケネディの意志を継いだ男」を観たが、この映画を観ていたことで、当時の状況がより分かった作品。>
まちがいなく見るのが大変な映画
まちがいなく見るのが大変な映画。ずっと悲しいし、ずっと地味で単調。娯楽性いっさいないので、興味ない人はさけたほうがよい。
あとJFK関連は、もういいんじゃない、というのも多少ある。真相が語られる(2039年でしたか)そのあとで、また。
地味ながら、映像、ロケーション、美術にはかなり力を入れていると思われる。
終盤に静かに揺さぶる言葉とメッセージの多くが込められている。しかし、そこに辿り着く前に挫折(寝落ち)する人が多いと思われ。。
思っていた内容と違いました
シブい伝記映画
今作はタイトル通り、ケネディ夫人の伝記映画。夫のケネディ暗殺後、苦悩と孤独に苛まれるシーンが多く感傷的。夫人が壮大な葬式にこだわるなり、大規模なホワイトハウスを修復なり、共感できるかできないか分かれる政治的なことが印象的。大衆は強さを求める、強さを強調する必要があるのが本来ある政治、政治はまさにパフォーマンスであり、ジャッキ夫人にはとても行動力があり、その事が評価されているのだと思う。壮大な葬儀、埋葬にするのが自分の使命だと語ってもいたけど、ファーストレディとはまさにこのような行動力、決断力が必要なのでは無いかと思う。また、N・ポートマンの演技力が本当に高いなと感じ、1人でのシーンが多く、孤独さや現実の冷たさを象徴する、ポートマンの悲しい表情とかがとてもいいなと思ったら。
鑑賞記録用
ジャクリーン・ケネディ
ケネディ暗殺後、葬儀からホワイトハウス退出までをジャッキーの視点で描いていく。
ナタリー・ポートマンの演技は秀逸で、あらゆる感情にあふれている。
リアルタイムで経験した私の記憶に残っている、鮮烈な映像が見事に再現されていた。
歴史に刻む葬列
演技力
抑制された、品のあるドラマ
ファーストレディとして
内助の功
もはやハリウッド映画の一つのジャンルである“JFKモノ”。
これまで様々な切り口で作られてきたが、本作は夫人の視点から。
夫暗殺直後のジャクリーン・ケネディ夫人に迫る。
もうとにかく、ナタリー100%とでも言うべきか、全編ほぼ出ずっぱり。
ナタリー・ポートマンの演技に圧倒される。
実際の夫人を全く知らないので似てる似てないは言えないが、何だか容姿は似てないらしいが声色や仕草などは完コピしてるとか。
エレガントな衣装もさすがの着こなし。
慈愛に満ちた心優しき聖母像と言うより、夫の暗殺という悲劇に見舞われながらも気丈で芯の強い女性像。
一筋縄ではいかない、気迫すら感じた。
あの大統領にこの夫人あり。
記者のインタビューに答える回想形式で、暗殺直後から国葬までの4日間。
暗殺シーンや血の付いたドレス姿はリアルでドキュメンタリータッチではあるが、全体的に淡々と盛り上がりに欠け、少々退屈さは感じる。
でもその分、ナタリーの熱演と夫人の信念に集中出来る。
時期大統領もすぐ決まり、あれほど愛された夫は早々と過去の存在へ…。
夫という人物、大統領としての功績を後生に残す為、夫人は立派な国葬に全身全霊を傾ける。
JFK伝説の立役者、誰にも真似出来ない唯一無二の“内助の功”。
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