「熱演だけど内容にひきつけられない」ジャッキー ファーストレディ 最後の使命 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
熱演だけど内容にひきつけられない
総合:60点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:55点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
ケネディ大統領暗殺直後のジャクリーン元夫人の数日間を描く。
暗殺があった後で、葬式をどうするのかといったそれぞれの立場の思惑があり、ジャクリーンもいかに亡き夫の名誉をどうするのか、アメリカの威信をどうするのか、悲しむ暇もなく決断を迫られる。自分の今後の地位をどう保つか、どう生活するのかも考えねばならない。ようやく大統領夫人という最高の地位を掴んだ後で、地獄に落とされてしなければならない元大統領夫人の仕事としてたくさんの後始末は、情報の少ない中で短い時間での決断の連続である。
そのような役をナタリー・ポートマンが良く演じていた。しかし作品中のジャクリーンの魅力はそれほどでもない。秘書を演じたグレタ・ガーウィグは良い演技だったしジャクリーンを支持する姿が良かった。
だが物語に動きが少ない。映像も動きが少ない。次はこれをどうするのかというのを部屋の中で喋りながら決めていくだけ。そしてそのことを記者に喋るだけ。決断をしたときにその決断がどのような結果をもたらしたのかについても描写が少ない。物語の展開が言葉での説明的になりすぎていて、私の苦手な舞台劇の映画化作品の演出にも似ている。
当時のジャクリーンは大変だったろうなとは思うが、それが作品としてすごく面白い内容ではなかった。映像・演出から受ける衝撃も少なかった。
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