「氷菓=アイ・スクリーム」氷菓 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
氷菓=アイ・スクリーム
今や直木賞作家となり、新刊が常にベストセラーとなる人気作家・米澤穂信のデビュー作の実写化。高校の古典部というマイナーな部活動に集う4人の仲間が、33年前にこの高校で起こった文化祭に纏わる事件の真相を突き止める青春学園ミステリ―。米澤作品の中には、こうした学園ミステリー作品をよく見るが、これがその原点となるのだろう。
高校生活に活路を見いだせず、何事にも関りを持とうとしない灰色の高校生活を送っていた主人公・折木奉太郎。そんな自堕落な生活を送っていた奉太郎に届いた、インドを旅している姉からの手紙。そこには、高校の古典部に入部への命令が記されていた。仕方なく入部すると、ある事情を抱え、同じく古典部に入部してきた、美少女・千反田えると出会う。そこに、同級生の福部里志と伊原摩那花が加わり、4人でこの高校に潜む謎を解き明かしていく。
そんな中で、えるが抱えていた事情も明らかになっていく。それは、えるの伯父が、10年前に失踪した要因が、33年前に在籍していた同じ高校の古典部で製作した文集にあるということだった。その文集の創刊号に秘められた謎と、高校時代の伯父に何があったのかの謎を、仲間と共に奉太郎が解き明かしていく。
最終的には、題名『氷菓』に込めた意味も明らかになっていくのだか、それほどのオチやクライマックスがあるわけでもなく、お子様向けの学園ミステリーに留まる内容だったのは残念。
それでも見所としては、山崎賢人と広瀬アリスのファンにとっては、高校時代の若き日のお宝映像にあるかもしれない。このところ『キングダム』『ゴールデンカムイ』そして、これから公開される『陰陽師』と大ヒット作の主演を務める山崎賢人だが、2012年に公開された『Another アナザー』に続いて、岡山天音とコンビを組み、『キングダム』の『信と尾平』の礎を築いているのもお宝である。