「原作に忠実?ご冗談でしょう」氷菓 lak510さんの映画レビュー(感想・評価)
原作に忠実?ご冗談でしょう
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まず言いたいのは、演出から劇伴からアニメに引っ張られまくってる点
あれじゃあコスプレ映画だとか言われても仕方がない
原作を1から映像化したというなら、もっとやりようがあっただろう
まあ、そういった問題は棚に上げておくにしても、
これを「原作に忠実」とか言うのはいくらなんでも無理筋だ
特に氷菓事件の核心たる関谷純についての部分
あんな風に改変してしまったら、彼の「私は叫ぶ」の意味が違ってしまう
また、関谷純が学校を去るシーンも表現がおかしい
彼の「叫び」は何に対して向けられているのか?
その本質部分を完全に見誤った脚本と言うしかない
(細かいとこにツッコむなら、関谷の読み方もセキヤに改変されている)
付け加えるならば、関谷純の姿形を、あのようにハッキリ示してしまったのも疑問を禁じ得ない
「歴史的遠近法の彼方で古典となっていく」という部分を見落としてるのだろうか?
それと、折木奉太郎という自称省エネ主義者の心情描写が全く足りてない
灰色を標榜しつつも薔薇色に対して抱いている屈託こそがキモの部分で、
彼の心情をちゃんと描かないと、なぜ氷菓の真相を、薔薇色に殉じたはずの関谷純の真意を知ることに拘ったのかって部分がおかしくなる
要するに、これは単にストーリーだけを大筋でなぞっただけの映画であり、
そういうものを「原作に忠実」などとは口が裂けても言えない
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