スウィート17モンスターのレビュー・感想・評価

青春映画史の1ピースになるであろう一作。
どうしても観たいと思った一方であまり事前知識無しで観たので、主人公ネイディーンのこじらせ自己中ぶりに面食らいながらも、それがまたとても良い。
今の自分と17歳の頃の自分と多角的な視点で楽しめる。

57本目。
それぞれのキャラクターが好き。
ウッディ・ハレルソンがいい味出してたし、キーラ・セジウィックでテンション上がったな。
クローザー以来だけど、彼女のコメディか観たい。

℃-ute & COOL
青春ストーリーで好きな作品でした。

見てて終始笑ってました！個人的に先生がすごい好きでした！

劣等感のカタマリで周りの人間に八つ当たりしまくるネイディーンに、自分を重ねまくり死ぬほど感情移入した。

妬ましくて嫌いな兄と親友が恋仲になるってそりゃもう嫌だよなー…
何があっても自分を一番にしてくれると、ずっと対等だと思ってたのに恋人を作って自分より先に進んでしまったと感じて。
理不尽なほど八つ当たりしまくるネイディーン、分かるよ分かるよ！

あげく憧れの男子にトンデモメッセージを送るわ、それでもデートにこぎつけられたと思いきや完全に身体目当てだわ、もうかわいそうでかわいそうで。
だけど憧れのニックの流し目はこりゃ確かにかっこいいわ…

ただネイディーンは周りの人にとても恵まれてて良かった。
兄のダリアンはもう良い人すぎて。
設定的にたぶん20歳かそこらだと思うけど情緒不安定の母親と妹に挟まれて、あんな頼りがいのある青年になれるってすごい。
ネイディーンに皮肉交えて語りかけるシーンは最高だった。
愛されて苦労知らずに見えるけどやっぱり辛いこともそりゃあるよね。
クリスタも良い子だし先生もなんだかんだ言いながら良い距離感で素敵だった。

ネイディーンに想いを寄せるアーウィン、彼も良い人だった。
落ち着いているけどお茶目で素直な言動が可愛かったし、失礼なことを言われても受け流す器の大きさに安心した。
途中は情緒不安定なネイディーンの慰め役というかちょっと都合のいい男子みたいな扱いでかわいそうに思えたけど笑

全体的にポップで笑いどころも多く、でも感情移入のあまり涙をずっと流しながら観てた。
私自身すこーしだけ似たような境遇になったり全てが嫌になって八つ当たりしまったこともあって、ネイディーンの母親の言った「辛いときは気持ちを落ち着かせて、誰だって私ように空虚でみじめなんだ、隠してるだけで。」って台詞や、先生の奥さんの言った「時間が解決してくれる」って台詞にものすごく心打たれた。
ダリアンとネイディーンのハグも心温まった。
何より愛されているってことが分かって良かった。

クリスタ側の心情描写がもう少しほしいなーとは思ったけど、ネイディーン目線に振り切ることで色々効果的だったのかな。
自分を受け入れて前向きになれる良い映画だった。

いつも思い通りにならない現実にイライラして同年代の子たちを見下し、周りから孤立してしまうネイディーンの姿に「この子、性格悪いな〜」と思いつつ、身に覚えがあり過ぎてツライ！
まるで自分を見ているかのようで…心にグサグサ刺さる映画だった

見方によってはただのウザい子。でもすごく魅力的！

ネイディーン役ヘイリーの絶妙な演技によって、この主人公がどんどん好きになります。

細かな笑いもとても良い(๑´ڡ`๑)

先生役ウディ・ハレルソンもまた、すごくいい味出してました！

少しのことでバランスを崩し、少しのことで気分が明るくなる。みんなにも色々ある。
そんなことが感じられて、いい映画でした！