「単純がいい。」ビニー 信じる男 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
単純がいい。
またもやマイルズ・テラーが事故で血まみれになる映画なのだが、
どうして彼はこういう役が似合うんだろう!ホントに巧い役作り。
ララランド蹴って大正解よ(ゴメン監督)と思えるほどの出来栄え
に「ロッキー」大好きオバサン(私で~す)の血が騒ぐ。ボクシング
ってそもそも単純だからいいんじゃないのかい?と私もそう思う。
エンドで本人が言う台詞に頷いた。確かに私の息子が彼なら死ぬ
ほど辞めて欲しいと祈るだろう。大きな怪我をしてやっと治って
あとは穏やかに長生きしてくれと親なら絶対願う。心配で心配で
試合中継を見れないお母さんの気持ちが痛いほど分かる。だけど!
息子はボクシングがなけりゃ生きられない。どうしてもやりたい。
だから嘘をついてまでトレーニングを開始する。あぁ単純!他に
何があるってんだよという心意気が素晴らしい。四の五の言わず、
文句をたれず、ひたすら治して戦うっていう信心で手術も拒否し、
周囲の心配をよそに復帰を目指すビニー。だってやりたいんだよ!
あぁそうだろうとも!とトレーナーも彼に従う羽目になるのだが、
その後の復帰戦でチャンピオンに返り咲いてしまうところが凄い。
首を骨折した男が頭にパンチ食らう仕事に戻る。死んでもいいと
思う仕事に賭けたのは、彼がギャンブル好きだったのもあるかも
しれないがそれにしたって勝敗が全てだ。疑惑の判定に四の五の
言わなかった村田諒太のように、彼らには結果を受け入れる度量
が備わっているんだろうか。金に目がない汚いプロモーターなど
裏事情もしっかり描かれてナイスだったが、マイルズ以外皆さん
よく似ていたところに感動。ご本人はかなり軽やかな印象だった。