劇場公開日 2017年4月8日

  • 予告編を見る

「ただ、暗い気持ちになっただけの映画。」午後8時の訪問者 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ただ、暗い気持ちになっただけの映画。

2017年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

例えば『サンドラの週末』などもそうだったが、社会派のフランス映画(と言っても監督はベルギー人だが)というのは、効果音もなく淡々とストーリーが進んでいく。話のスジに興味がわかないと退屈でしょうがないであろう。
この映画は、ややサスペンス色のある展開だったせいで結末への好奇心が保ち、寝落ちせずに済んだのだが、そのラストは、期待値のハードルを越えるものではなかった。同じ黒人が殺されたからではないが、『人間の証明』における人間の郷愁のようなものでもあるのかと思っていたのは、自分勝手な思い込みだったようだ。
何より、主人公が暗い。研修医が辞めたのも、少女が死んだのも、なぜそこまで自責の念にかられるのか自分にはわからない。閉塞した映画の雰囲気からは、フランスの停滞した経済からくる人々の虚無感しか伝わってこなかった。

警察も医師も、カジュアルな私服なんだなという発見もあったか。

栗太郎