「実力があるから客も来る」密偵 トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)
実力があるから客も来る
平日の昼間、ぽっかり時間が空いたとき、「そういえば、韓国映画で見ておこうって思ってたの、なんだっけ?」と思い出したのが本作。
12月中旬までに30本弱の映画を見たが、そのうち7本ほどの韓国映画を見ている。
韓流ファンではないが、結果的にそれだけの映画を見ているっていうのは、韓国の映像作品の熱気、レベルの高さを自分も感じているのだと思う。
さて、本作。「殺人の追憶」(2004年)以来、ソン・ガンホに注目してきたが、昨年の「弁護人」などは気の毒なくらいな駄作だった。
だからこれも、日帝憎しのトンデモ映画かな、と期待せずに見たのだが、他の人も指摘するように、それなりにバランスがとれた良質のエンターテインメント作だと思う。
平日の昼間、新宿のそこそこ大きい映画館には公開から1カ月がたつというのにこれまたそこそこ客=年配者多し=が入っていた。
なんやかんや言っても、韓国映画のエンターテインメント性は日本の映画ファンも評価しているから、こうして自分も含めて客が入るんだろうね。
本作は歴史ドラマでもあるけれど、日韓併合時代に朝鮮人がテロ組織で総督府転覆を謀っていたなんてほとんどの日本人は知らないよね。僕も義烈団って初めて知った。
歴史問題で韓国のことをあれこれ言うのはいいけれど、大衆目線でエンタメ性があって日本の視点でいいから、近現代史を題材にした骨太のアクションエンタメなんてできないのかな。
近現代史を材料にする作品すら久しくないんじゃね?
日本映画、ぬるいのとアニメばかりじゃ、いかんよ。
「新感染 ファイナルエキスプレス」でも名演だと思った、大沢たかお似のコン・ユもいい芝居していた。
イ・ビョンヒョンの役は別の役者でよかったと思う。