「ようやく始まった続編」ガールズ&パンツァー 最終章 第1話 Eldon Tyrellさんの映画レビュー(感想・評価)
ようやく始まった続編
テレビシリーズの続編(つまり最終章は実質2期)がついに始まったな、という感じです。間にはアンツィオOVAと劇場版もあったけどあれらはあくまでサイドストーリーであり(勿論どちらも大変楽しく素晴らしい作品でした)、物語の進展自体はテレビシリーズが完結したところで止まっていたと思うので、4年の時を経て新たに動き出したワクワク感が嬉しいです。
新登場のサメさんチームやBC自由学園もエキセントリックなキャラが勢揃いで、この大所帯アニメでは個々のキャラの差別化を図るのは大変だろうなぁと常々思いつつ上手く個性が出ていると感じました。BC自由学園隊長のマリーは見た限りでは、掴み所がないというか食えないキャラだなという感想ですが、彼女も最終的には他校の隊長と同じく「自分の戦車道に矜持を持つ優しくていい娘」として描かれると思うので、どうなっていくのかが楽しみです。
本シリーズではキャッチコピーの「何のために戦うのか」の他に「自分らしい戦いとは何か」が本シリーズでは大きなテーマになるのかなと感じました。隊長のポストを後輩の逸見エリカに譲って一足先に学校を去り、海外へと(おそらく)自分らしい戦いを見つけに行った西住まほですが、この辺りに今後何か大きな展開が振られるように思います。
また、ミカの「人との繋がりも大事だけど、孤独も同じくらい大事なんだよ」という言葉、劇場版を踏まえると彼女の格言は本シリーズでも一つのテーマになると思いますが、もしかしたら「みんなと戦うことで自分の戦車道を見つけた」みほが何らかの理由で孤独に浸る(もしくは一人きりで戦う)事がおきるのかもしれない、そんなふうに想像しました。そういう少しシリアスめの展開もハートフル・タンク・ストーリーのイメージを崩さない程度には見てみたいです。
面白い話や少し泣ける話、カッコイイ戦車戦、何回も見ないと分からないような小ネタ等も楽しみですが、やはりタイトルに銘打ってる以上、このシリーズでしっかりと物語を完結させて美しい締めにしてもらいたいというのが望みです。
ただ、今後どういうペースや方式で残り5話を公開していくのかというのが全くの未知数なので、その辺りに若干の不安もあります。本作の性質上最低でも1年くらいは制作に時間がかかると思うので、かなり長い第2期になるような…。待つのは慣れているけど、戦車戦はまだ序盤までしか行ってないので、早く続きが見たいという気持ちが抑えられず辛いことになりそうです。
まだ全体の1/6でしかないわけで良し悪しはこの作品だけでは決められないけど、大好きな作品だからこそ期待を込めて多めに星をつけました。