ギミー・デンジャーのレビュー・感想・評価
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ジャームッシュとポップミュージック
「パターソン」を見た後、さてこの作品はどうしようかなあと思っていたのだけれど、トム・ペティが亡くなって、ああ、これは見に行けということなんだろうなと、そんな行きがかりで見に来てみた。
振り返ると、自分には、ジャームッシュで知ったポップミュージックというジャンルがあるのだと気づかされる。スクリーミン・ジェイ・ホーキンス、ジョン・ルーリー、トム・ウェイツ。
実はイギーポップ&ストゥージズは名前を知っていたという程度。デヴィッド・ボウイとかの周辺情報としてだ。
この作品を見たいまは、はずかしすぎてひきこもりたいくらいだ。なんだ、自分が好んで聴いてきたポップミュージックの一部のルーツじゃないか。そういう存在は、ビートルズとか、ベルベット・アンダーグラウンドとか、ニールヤングとか、だいたい聴きかじっていたつもりだったけれど、盲点てあるんだなあ、いくつになっても発見ってあるんだなあ、と新宿の雲間の名月を見上げたのだった。見に来てよかったなと。
超「クール」なロックムービー!
年に数本はロックムービーを観てる。ここのところ、その類の映画が多いということもあり、観る機会も断然増えた。
その中でも「ギミーデンジャー」は傑作と言える。映画全体がコラージュで彩られるが、ジム・ジャームッシュ監督はその手法を好んで使うわけでもなく、「イギーポップ」そして「ストゥージーズ」にふさわしい演出として選んだのだろう。パーフェクトだ。
ブルーズ、ロックンロール、サイケデリックと進化した後、出現した「ロック」とは一体何かと一言で表すなら、「ストゥージーズ」だ。やっとパズルが完成した。
超「クール」なロックムービーだ。今の所、2019年に観た映画の中でもベストだぜ。
予備知識なしで観たけど、バッチリ楽しめた。インタビューではごく普通...
予備知識なしで観たけど、バッチリ楽しめた。インタビューではごく普通〜のおじさんなのが凄い。
テンポ良いしアニメも楽しかったし、さすが。
デビッドボウイってけっこう商売っ気のある人だったのね。
感無量
イギー・ポップ個人ではなく、あくまでストゥージズの映画。コアなファンなら周知だろうが当時の彼ら(特にイギー)は実際にはもっと過激で悲惨なエピソードも多い。しかしこの映画ではその辺はサラッとキレイに纏めている。やろうと思えばいくらでもスキャンダラスにできたのに敢えてしなかったのは、ジャームッシュ監督が内情暴露ドキュメンタリーが嫌いだからという理由ともう一つ、彼らの音楽的な軌跡を映画に焼き付け、歴史に残すことで、今迄軽視されがちだったストゥージズの重要性を後世にもわかりやすく伝えたいという強い意志からだろう。ジャームッシュ作品には珍しく時系列でわかりやすく、当時の彼らの断片的な映像を補うようにアニメーションや名作映画の引用等を用いて飽きさせない作り。バンド内の生臭いエピソードよりも彼らが活動した60年代のカウンターカルチャーとしてのロック史や当時のアメリカの文化史もわかるようになってるところが凡百のロック・ドキュメンタリーとは一線を画している。…と書いてみたものの、後半の再結成〜クライマックスの畳みかけるような展開には震えと涙を禁じ得ず。イギーの「何処にも属したくない、俺は俺」精神は、この映画を見たすべての者〜彼らをよく知らなかった人からコアなファンまで〜の心に残るだろう。
いや僕ロック知らないから
ストゥージズもイギー・ポップも知らないし、ロックのことも全く知らないけど、ジム・ジャームッシュが撮ったなら面白いかなと思って観たの。
知らなくても色々と面白いんだよね。イギー・ポップ観て「年取ってもカッコイイなこの人」と思ったりとか。「ジム・ジャームッシュの編集おもしろいな」とか。
でもやっぱり背景知らないとこの作品はしんどかったな。ちょっとでも知ってる人にとっては凄く面白い作品だと思うよ。
やはりゴッドファーザー
イギーのドキュメンタリーをジャームッシュが撮る、それだけでまず外す訳にはいかないでしょう。
以前ニールヤングを取り上げたように、ロックンロールに趣深いジャームッシュ。本作の一報には本当胸躍ったものです。
作品は実にベーシックな進行ながら、随所にジャームッシュのユニークさが散らばっていて飽きさせません。
何よりイギーがとてもリラックスしてインタビューに答えている姿が実に良い。変にロック然としてないのがとても格好良いんですね、キースと少し似た空気がありました。
中でも、ボウイ等のエピソードはわかるんですけど、トッドヘインズの「ベルベッド」が話に出てきた時にはあまりに以外すぎて驚きました!
そんな作品はまるで、飛び出す絵本の自伝版のようで、観ていて実にワクワクします。
カットの繋ぎ方が絶妙で、自身が好きだからこそできるコラージュなのでしょう。
イギーやストゥージズの音が好きな方はもちろん、ロックシーンの一端を知るにはとても優れた映画だと思います。
イギーに、そしてバンドへの愛に溢れた、それはとても素晴らしい作品でした。
バンド愛と編集センスが光る、数多くの音楽ドキュメンタリーのなかでナンバーワン
数多くの音楽ドキュメンタリーの中で、ナンバーワンかもしれない。
ジム・ジャームッシュ監督による、"ザ・ストゥージズ"のドキュメンタリー。この組み合わせでノックアウトだ。
イギー・ポップを、自作の「デッドマン」や「コーヒー&シガレッツ」でも俳優として使っているジム・ジャームッシュ監督の心意気がにじみ出ている。
ザ・ストゥージズは、1967年イギー・ポップを中心に結成され、1974年のライブを最後に自然消滅した。その間、たった3枚のアルバムしか残していない(2007年の再結成で1枚)。当時は商業的に成功したとは言えなかったが、デビッド・ボウイやニコにインスピレーションを与え、セックス・ピストルズやダムドなどにも影響を及ぼし、以降の多くのロックバンドに敬愛されている。
"ロックミュージックの創始者は誰か?"という答えに当てはまる人は何人かいる。しかし、音楽スタイルだけでなく、ライブパフォーマンスやファッション、ロックカルチャーそのもののカタチを作ったのは、"ストゥージズ"かもしれない。ストゥージズなくして、いまフェスで騒いでいる子供たちのパフォーマンスや、それこそ"ステージダイブ"は存在しない。
ドキュメンタリーなので、過去の映像素材を中心に編集されるわけだが、なによりバンドに対する、心からの愛がある。バンドの曲の使い方が素敵である。
また、イギー・ポップやメンバー、関係者へのインタビューが新たに撮られ、バンド結成から自然消滅、再集結と現在にいたるまでが時系列に並んでいるのだが、映画作家としてのジム・ジャームッシュの編集センスの高さが細部にわたって光る。
インタビューシーンをそのまま使うのではなく、アニメーションで置き換えられたり、話題になる人物や事象が、過去の映画やテレビ番組などのカットを引用して、これが絶妙な間(ま)となってコミカルな雰囲気を生み出す。
周囲が敵だらけだった昔と、再結成後に一変した現状況の、天と地ほどの差。メンバーの死、ロックの殿堂入りには泣けてくる。ジェイムズ・ウイリアムソンの再合流のライブ映像は貴重。
(2017/9/10 /シネマカリテ/ビスタ・一部スタンダード/字幕:斎藤敦子/翻訳監修:大鷹俊一)
予備知識なしで観たけど、バッチリ楽しめた。インタビューではごく普通...
予備知識なしで観たけど、バッチリ楽しめた。インタビューではごく普通〜のおじさんなのが凄い。
テンポ良いしアニメも楽しかったし、さすが。
デビッドボウイってけっこう商売っ気のある人だったのね。
He is God
ジムジャーのストゥージズ愛がビンビンに伝わってくる傑作ドキュメンタリーでした。
イギーポップ大先生だけではなく、なかなか日本では知られていないストゥージズの歴史を知れたのは良かった。
特に魅力を感じたのはジェームズ・ウィリアムソン。ギター・ヒーローとしてもイカしているし、その後の転身も振り幅が大きくて味がありますね。
とはいえ、主役であるイギーポップ大先生の存在感は最高!あれだけ熱狂的なステージングなのに、心の奥底は完全に冷めていて、そのクールさはキャリアのはじめからあったんだなぁと実感。権威やムーブメントを心からバカにしているから、孤高であれているように感じた。
この映画を機に、イギー大先生の再評価も進みそうなので、広い意味で価値ある映画だったと思います。
NO FUN ?
水曜日で¥1,000で観れる日ということもあるけれど、平日の朝一番でもそこそこ人が入っていたのには少し驚いた。イギーポップも人気があるものだ。ストゥージズの今に至るまでを単なるドキュメントでは終わらせず、映像作品として仕上げるジム・ジャームッシュのセンスは相変わらずだ。ジェロビアフラ、マイケルムーアぽいっ映像にも思えた節もあるが、まぁ、それはそれで悪くなかった。
NO FUNどころかとても楽しめたドキュメンタリー映画だった。
ニール・ヤングからのイギー・ポップ
この作品はとにかくジャームッシュが撮ったことに意義がある。
The Stooges、I・ポップ、J・ジャームッシュが好きな人にとって最高の一言に尽きる。
余計な事はしないThe Stoogesのバンドの運命にメンバーそれぞれの生い立ちとシンプルに描かれていて文句無しの映画に仕上がった。
Crazy HorseにThe Stooges、次はT・ウェイツを撮るだろうジャームッシュは!?
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