劇場公開日 2017年8月26日

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「大きな川の流れのような、カットの組み合わせ」パターソン 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大きな川の流れのような、カットの組み合わせ

2023年2月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

何気ない日常がゆっくり流れていく。時折、突拍子もないことがおきたり、哀しいことが起きたり、うれしいことが起きたりする。それも日常の流れの中に埋もれていく。大きな川の流れのようにすすんでいく。まるで詩のようにじんわりくる。
カット割り、カットとカットの間、挟まる静止画。特に何か特別な出来事、大げさなセリフがなくても映画は成り立つもの。脚本にしてしまえば、静かなプロットだけにみえるが、それを映像として組み合わせていくと、すごく深い印象に残るという実例を示した映画。映画だからこそ、揺さぶられるという意味では映像でつたえるということのお手本のような映画。
最後辺りのシーンで、永瀬正敏が出演しているが、欧米人のカットの流れの中に突如出てくる日本人ってそこに居るだけで存在感ある。英語の音が違う。インパクトあるんだぁって、監督も敢えて日本人を使った演出をした理由がなんとなくわかる気もした。

菜野 灯