20センチュリー・ウーマンのレビュー・感想・評価
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子育てって大変だね~
私は子供がいないから子育ての大変さは分からない。
親が親である前の人として、或いは男、女としての生きがいというか楽しみみたいな物が無いことには子育てだって楽しめないのではないかと思う。
ましてやシングルマザーとくれば…
清い濁り
どストライク
脚本がいいです。雰囲気に流されることなく、語り過ぎることなく、着実に進んで行きます。
次に、アネット・ベニング。これぞ女優の仕事と言いたくなるような筋の通った演技です。途中のイングリッドとの対比は笑えました。人はそれでもやっぱり美人にいくんですよね。劇中の彼女も「カサブランカ」に憧れていました。
美人でない複数女優の映画として、「フライド・グリーン・トマト」と近いと思います。あの映画が好きだったら、きっとこれも大丈夫でしょう。
最後に音楽、The Raincoats にThe Germsにスジバンがかかり、Lou ReedのTシャツを着、Black Flagと車に書かれ.....付いてきてます?70年代後半の曝け出す音楽が満載です。パンク、特にアメリカの、です。あまり語られることが無いジャンルですが、これがあったからこそ、R.E.M.が登場し、Nirvana へと繋がっていきます。映画の内容とはほぼ関係ないですが、深い淵の入り口としてここで流れている音楽もお薦めします。
主人公の設定が私より4〜5年上。ちょっと手を伸ばせば届く世界。大学時代に聞きまくっていた音楽なので、懐かしく、とても近く感じました。おすすめです。
ニューウェーブとパンクの時代
タイトル通り20世紀を生きたアネット・ベニングが主役の映画。
アップになると皺が目立つアネットだが、その表情やしぐさが実にチャーミングなんだよねえ。息子ジェイミーを愛し、理解できないが歩み寄り、レコードをちゃんと聴くアネットがステキ。
ただ、ジェイミーの成長物語かな?と思って観ているとやや物足りない。15歳としては奥手というか男性側の性欲面が抑えられすぎ。(そっち方面に特化した映画だと別に沢山あるからか)
人生、フェミニズム、成長物語、親子とテーマを欲張りつつ綺麗にまとめていてこの辺は監督のセンスでしょう。
あとエル・ファニング!アバズレかつピュアという難しいティーン像をナチュラルに演じてました。素晴らしい。
どんな映画かあまり知らずに観に行きました
同時代に日本に生まれた男性から観て
1979年の米国サンタバーバラ。
ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)は14歳の少年。
彼の母親ドロシア(アネット・ベニング)は1924年生まれの戦前派。
40歳にしてジェイミーを産み、夫と別れ、その後、シングルマザーとして彼を育てた。
ベトナム戦争を経て疲弊した米国では、女性の社会進出も目覚ましく、価値観は変わってきている。
そんな流れの中で、迷ったドロシアはジェイミーの教育を、24歳の間借人アビー(グレタ・ガーウィグ)と、近所に住むジェイミーの幼友達で16歳のジュリー(エル・ファニング)のふたりに助けてもらうようお願いした。
かくして、ジェイミーは女性たちの取り囲まれていく・・・
というハナシ。
ハナシと書いたが、一貫したストーリーらしきものはあまりなく、「回想録映画」というのが相応しく、監督の体験(といっても、登場するような3人の女性たちがいたわけではないが)が基になっている。
まさに、1964年生まれの14歳の少年からみた女性たちの物語であり、彼女たちの価値観の違いや行動の違いが描かれるとともに、それに感化していく少年の姿が描かれていく。
個人的には、ジェイミーと同年代の生まれなので、当時のことを振り返りながら観たのだけれど、日米の差は大きく、1979年の自分の周囲を振り返っても、映画に描かれるような女性の社会進出→フェミニズムといった社会現象はあまりなかったように思う。
たぶん、日本では、これらの流れは5~10年ほどやって来たのではなかろうか。
女性問題が取り上げられて、大学の社会学の講義で受講し、女性たち(の問題)に目覚めさせられたのは、大学生になってからだ。
もうひとつ、当時の日本と異なるのは、劇中、カーター大統領が当時の米国状況を鑑みて慰藉する演説をしているぐらい、米国は疲弊していたのだと思うが、日本ではそうではなかった。
なので、映画で描かれるような、国家の力が減衰するというようなことは、日本ではなかった。
日本に訪れるのはバブル崩壊の後のこと。
長々と日米の情況を書いたのは、「まさしくこの時代の真っただ中に同じような年代だったにもかかわらず」「まるで同じように感じられないという違和感があった」から。
いやもうこれは、映画のせいではなのだけれど、どうにもならない。
そんなことばかり書いても仕方がないので、3人の女性たちについて感じたことを書いてみる。
24歳のアビーは、映画のなかで最も急進的なフェミニスト。
あまりに急進的すぎるのかもしれないが、その急進性には思春期の少年は惚れるだろうし、年上の女性に「わかる男性」とみてもらいたい気持ちもわかる。
2歳年上のジュリーは、意外にも旧式な女性で、彼女の中には「男性あっての女性」という考えや、人に大切なのは「強さ」だという、「強い米国」の影が見え隠れする。
いちばん若いのに、そういうあたりが興味深い。
そして、1924年(大正時代だ!)生まれのドロシア。
彼女の価値観はたぶん古い。
けれど、戦火を潜り抜けてきたたくましさがあり、それは否定できない。
さらには、戦後の男性社会で、時代より早く、シングル(およびシングルマザー)として過ごしてきた。
この、たくましさ。
しかし、彼女自身にとっての人生は「負け戦」だったのだ。
息子の教育をふたりの女性に助けてもらおうとしたのは、自分のように、「幸せでない人生」を送らないためにであり、男性から女性へとシフトする激変社会に、かつて自身が経験した社会の変化を本能的にかぎ取ったからだろう。
ジェイミーをめぐる3人の女性の描き方、これはやはり興味深いが、どうにもわかりづらいのは、女性と対立軸をなすマッチョ男性が出てこないこと。
この対立軸的男性が出てくれば、もっとわかりやすくなったのだろうが、そんなことをすると少々下卑てしまったかもしれない。
ま、監督の周囲にはそんな輩はいなかったのだろうし、いたら、こういう映画は作れないとも思う。
59歳のアネット・ベニングがかっこいい。
Movixあまがさきで映画「20センチュリー・ウーマン」
(20th Century Women)を見た。
ショッピングセンターの駐車場に停めた、主人公の所有するフォードの旧式モデルが炎上する。
この映画はそういう場面からはじまる。
冒頭からトーキング・ヘッズの音楽が挿入される。
トーキング・ヘッズと言えば自分が高校3年生の時に桃山学院高校の同級生の池内健君に全アルバムレコードを借りてよく聞いたもんだ。
懐かしい。
トーキング・ヘッズ以外にもジャパンなど自分の知らない音楽をいろいろ教えてもらった。
池内君は今は音信不通だが元気だろうかと思った。
アネット・ベニングが演じるドロシアは、
監督のマイク・ミルズの母親がモデルらしい。
アネット・ベニングは59歳だが魅力的な女性だと思った。
かっこいい。
エル・ファニングは売り出し中の女優。
最近だけでも「夜に生きる」「20センチュリー・ウーマン」「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」に出演しているのを見た。
20センチュリー・ウーマンとは20世紀に生まれ20世紀の末の1999年まで生きた女性の意味だろうか。
主人公の女性の息子はちょうど思春期だった。
この息子の成長と教育を2人の女性に手伝ってもらうことで様様な事件が起こる。
上映時間は119分。
映倫区分がPG12なのはsexなどの描写があるからだと思う。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
後からジワジワっと・・・
70年代のアメリカの空気が心地良い。
丁度、同じ世代
移りゆく時代を生きた母と子のラブストーリー
最近活躍中のエル・ファニング出演で本作を知り、監督の母をモチーフとした映画ということで、そういう心積もりで鑑賞。
1979年という、なんとも文化や世界情勢の乱れた時期の話。冒頭で、ジェイミーはMiles Davisや、『カサブランカ』を観て育ったと語る。女手一つで育てられた彼は、恐慌期に生まれ、助け合いの世界で育った母は心配性だと、そう言う。
母は、今の世界がもはや昔とは変わってしまっていることは知っている。彼女は、ジャズの黄金時代を生きた。そんな彼女が70年代後半から台頭してくるパンクシーンを理解できるはずもない。母親は、この現代の文化や恋愛に対して心を閉じていたのだが、息子を理解するために、自らクラブに赴いたりする。
現代の生き方を知らぬ母は、自分が重い人間では、と苦悩し、ジュリーとアビーに息子に現代の生き方を、「Good Man」の生き方を教えるよう頼む。
この2人の教育方がなんとも笑ってしまうものなのだが...(笑)
私が印象に残ったのは、彼女らがすごく知性に溢れていることである。一見世間に迎合する不良女性に見えるが、読書家で、それぞれ自分の立場をしっかりと確立している。ジェイミーはそれに答えてしっかりとこの広い世界の実際(女性に関してだが)を勉強する。
そんな教育方に母は心配を抱くもーこれは母親は誰もがそうだろうがー、ジュリーと家を飛び出したジェイミーは、「お母さんが居ればそれで大丈夫」と言う。
そこには「Good Man」の姿があった。
そんな彼を育てた、時代の流れに翻弄されながらも、逞しく、大きく生きた母の愛のストーリーであった。
愛おしい
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