「音楽もビジュアルもストーリーも、最高級」カフェ・ソサエティ モーパッサンさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽もビジュアルもストーリーも、最高級
ハリウッドとニューヨークの社交界を舞台に、青年ボビーの恋とアメリカン・ドリームを描いたウッディ・アレン監督のコメディ。セレブ、豪華な衣装、高級な酒、美男美女のパレードながら、それらが人生の不条理と表裏一体であることをウッディ・アレンは見失わない。男も女も身勝手な決断をしているのに、ウッディ・アレンの手にかかると、暖かい人間愛を感じずにはいられない。不本意や失敗があっても、「それでも、きみはOK」と慰められる気がする。さらに、粋とロマンティックのシャワーが心地よい。特に、それぞれの結婚後に再会したボビーとヴォニーが、夜明けのセントラルパークでワインとグラスだけ持って馬車から降り、水辺で語り合うシーンの美しさは圧巻だ。ここで流れる音楽に聞き覚えがある(セントラルパークに似合う)ので、調べたら、Vince Giordano & The Nighthawksの「Manhattan」らしい。音楽もビジュアルもストーリーも、最高級の一篇であった。
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