「キラキラ女子・ヴォニーの魅力」カフェ・ソサエティ kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
キラキラ女子・ヴォニーの魅力
ニューヨークでのヴォニーとボビーの再会までは、あらすじだけを見せられている感じがして退屈でした。
しかし、この再会シーン以後、ヒロインのヴォニーに興味が出て、最終的にはそこそこ面白く観れました。
ヴォニーは力に魅了されるキラキラ女子だ。ハリウッド時代も、一時的にボビーと付き合っていたけど、どっか心ここに在らずな雰囲気だった。ネブラスカ出身というのも引っかかり、フィルを選んだことはとてもしっくり来た。ボビーにとっては忘れられない相手だろうが、ヴォニーにとっては箸休め程度の相手だろうな、と思っていた。
しかし、再会時ボビーはカフェ・ソサエティの支配人となり、権力を持った存在になりつつあった。実は、ヴォニーにとってはセンチメンタルな再会ではなく、新しい恋愛対象としての再会だったのでは?
今すぐどうこうすることはないが、無意識下ではフィルが沈んだ場合のキープとして直観しているかもしれない。何せ相手は自分に対して強烈に固執している。ヴォニーがその気になればチョロいだろう。
ヴォニーの凄味は、勝利の方程式をナチュラルにやってのけるところだ。フィルの離婚も、外堀を埋めて離婚させたわけではなく、結果的に自身の魅力だけでフィルを奪っている。
計算高さはさほど感じられず、最終的には気持ちを重視する。しかし、優しいだけの男などノーサンキューと言ったところか。ミーハーじゃないけどギラギラ男の嫁の立場をゲットするなど、懐が深く複雑な側面もある。大物だ。
つまり、ヴォニーは単に自分と釣り合った相手を望んでいるだけなのだと思う。不倫の恋に葛藤する様子もあまりみられないため、自分の欲求を満たすためには道徳観など屁の河童なんだろうね。
ボビーも成長し、自分と釣り合いが取れてきたな、と感じ取り、僅かにときめいたのかもしれない。
物語後半は、ボビーもヴォニーもお互いパートナーがいつつも気持ちが揺れる展開になりますが、ボビーはガチで揺れているけどヴォニーはほんの一時の気の迷いくらいに見えてしまった。
ヴォニーは心の奥底で「ボビーでは満足できない」と思っているように見えてならなかったです。