劇場公開日 2017年3月18日

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「幸せのシステム化は、可能か?」わたしは、ダニエル・ブレイク 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5幸せのシステム化は、可能か?

2017年4月14日
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 この自由な世界では、墜ちてゆくのも自由と云うことでしょうか。
 ハンガリーの映画だったと思います。里親になると、補助金が出る福祉政策があったそうです。結果、バーゲン品のように、孤児が引き取られました。補助金貰った里親先の家畜小屋で、牛と暮らすことになった女の子の話が、未だに忘れられません。
 困っている人を救うはずの決まり事が、人を苦しめるのは、何故でしょうね。逆に不正需給の温床になったり。しかも、その線引きをする仕事のストレスは、半端ないそうです。本作でも、決まり事と良心の狭間でもがく職員さん、いましたけど。
 誰か一人が、間違ってるとかではなく、ひとつのシステムで、すべての人が幸せになると思うこと自体、幻想ですかね。その幻想と現実を、時に冷酷に、時にユーモラスに描かく監督さんのまなざし、大人ですねぇ。
 なんにせよ、人としての尊厳と、人を思いやる強さと優しさは、持ち続けたいものです。みんな、ダニエル・ブレイクだよ。

機動戦士・チャングム