劇場公開日 2017年3月18日

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「「マッチ売りの少女」あるいは「一杯のかけそば」、貧困と闘う尊厳の在り方を問う」わたしは、ダニエル・ブレイク Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「マッチ売りの少女」あるいは「一杯のかけそば」、貧困と闘う尊厳の在り方を問う

2017年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

"パルムドールを受賞したから、いい作品。"という方程式はないが、"やっぱりね、パルムドールを受賞してるんだね。"という会話は成り立つ。そんな映画だ。じんわり泣けてくる。

心臓病で医者から仕事を止められているダニエルは、自身を犠牲にしながらもシングルマザーのケイティと2人の子供の家族を助ける。しかし、そんなダニエルの正義感をよそに、厳しい現実に追い詰められていく。

貧困と社会を描く、この手のタイプは、アンデルセンの「マッチ売りの少女」や「フランダースの犬」、あるいは栗良平の「一杯のかけそば」のような描き方もある。しかしケン・ローチ監督は社会制度そのものに怒りを燃やし、問題提起している。そして人間の尊厳・プライドを主張する社会派ドラマに仕立てた。

おそらく私小説的なアカデミー作品賞の「ムーンライト」より、素直に心を寄せることができるに違いない。

(2017/3/24 /ヒューマントラストシネマ有楽町/シネスコ/字幕:石田泰子)

Naguy