劇場公開日 2017年3月18日

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「役所ってトコは〜〜」わたしは、ダニエル・ブレイク 星のナターシャさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5役所ってトコは〜〜

2017年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

主役のおじさんが、江戸落語家の何方かに似てる気がして、
なんかひと昔前の下町にこんな江戸っ子親父がいたよなあ〜と
思ってしまう。

とにかく、国や政治のシステムが全く弱者の立場になっていない!
と言う親父の怒り、つまりは監督、ケン・ローチの怒りは
100%理解出来るが、
ダニエルおじさんは、給付金申請の窓口で
「自分で帽子をかぶれる程度に手を挙げられますか?」
と訊かれて
「心臓が悪いと書いてあるだろう!」とちょっと声を荒げる。
言いたい事は解るがそこで切れて「もうイイ!」と
椅子を蹴って帰ってしまうのもどうかと思うし、
心臓病で医者に仕事を止められてると言いながら、
知り合ったケイティ一達の家をちょこちょこ直してやったり
偽就活のために街を歩き回ったりしていて、
そこを観ちゃうと、高いところに登ったりは無理でも
心臓に負担をかけない小さな仕事なら
できるんじゃないかと思っちゃうのも真実。

そういう事は枝葉の事で本筋ではないんだけど
ちょっとダニエルおじさんに完全に同情し切れなくなってしまった。

この監督の前作「天使の分け前」でもちょっと力技が過ぎて
そこは無いわ〜というところがあった。

お涙頂戴にしない、容赦無いのがこの監督なんだろうけど
観客としては主人公がそれやっちゃったら
完全に主人公の味方になり切れない。
みたいな事が多すぎる気がする。

そう、立川談志師匠みたな映画だわ!
師匠の言いたいことは解るがそこまで頑固で
誰の意見も受け入れないのはどうよ!!みたいな〜〜

とにかく、この映画の言わんとする国の福祉制度の冷たさは
人ごとではなくて、日本も同じだと思う。
老後がますます心配になってきた。

星のナターシャ