「明日は我が身の心持ちで。」わたしは、ダニエル・ブレイク だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
明日は我が身の心持ちで。
ダニエルもケイティも、頑張ってるのに全然報われなくて辛かったです。
ケイティがこっそり缶詰開けて食べちゃうところが辛かった。
一番辛いのは、人としての矜持が少なからずあって、ちゃんと生きたいと思うが故に、どんどんよくないスパイラルに絡められていってしまうっていうことです。人を助け、子供を愛し、妻を愛し、働いているのに、働きたいのに働けないのに。
私もダニエルやケイティになることがあるかも、そう思いながら観ました。
そんな中で一つダニエルにいいたいのは、助けるだけでなく、ちゃんと助けてもらって欲しいってことです。
助けてもらうのはバツが悪いでしょう、プライドも傷つくでしょう。でも、助けてっていえないと、本当の意味であなたを誰も頼れないと思うんです。
私にもダニエルと同じように助けられる存在にはなりたくないっていう気持ちがあります。でもその気持ちは、見方を変えると、助けられる対象を見下ろす視点です。見下ろすのではなく、同じ高さがふさわしいと思います。
もちろん、自分自身にこそ、いいたいことなんですが。
ダニエルは助けてって言えなくてついに困窮極まります。その状態になって初めてケイティの娘の「あなたを助けさせて」という言葉に、ハッとしたようでした。そして、助けてって言えたようでした。
その結果、事態は好転するかに思えた。あゝ、ホッとした。よかったよかった。
でもそうはいかなかった。
かなしい、本当に悲しい。なんで?なんで今心臓発作が?良さそうな担当者がやっと見つかったのに!ケイティが付き添ってくれているのに!
現実の惨状を、より観客に突き刺すため、ダニエルは死ぬことになったのだろうなと思いました。
現実はもっともっともっと辛くて残酷だから。
ダニエルのような人を増やさないために、できることを考えて行動で示せと、ケンローチが叫んでいるんだと思いました。
何をしたらいいんだろう、どうすることがいいんだろう。答えがあるかわからないけれど、考えなく続けなくては、と思っています。
でもね、これだけはゆっときますけどね、パソコン操作は、もうちょい前から学んでおけよと思いました。もうパソコンなしでは何にもできませんよ。