おとなの事情のレビュー・感想・評価
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このゲームは日本では成立しない、と思う。
原題を英訳するとPerfect Stranger だが、邦題の方がしっくりくる。18カ国でリメイクされたそうなのでよほど上手く出来た脚本ということなのだろう(でもほとんどの会話をLINEで済ませる日本ではおそらくこのゲームはリアリティーがないのでは?)誰でも多少の秘密はあるのだろうがこの7人の抱えている秘密は凄かった。さすがイタリア人。ワンシチュエーションもので、出演者も有名人ではないので恐らくは相当な低予算映画なのだろうが、楽しめた。Eva役の女優が可愛らしいと思ったが、そう言えば彼女がこのゲームの言い出しっぺだったのをラストシーンで思い出した。
男と女は違う。WindowsとMacみたいに
映画「おとなの事情」(パオロ・ジェノベーゼ監督)から。
この映画が元となり、世界18カ国でリメイクされた日本版、
邦画「おとなの事情 スマホをのぞいたら」(光野道夫監督)を
先に観てしまったから、なかなかレビューしにくいが、
「メールが届いたら全員の目の前で開くこと」
「かかってきた電話にはスピーカーに切り替えて話すこと」の
ルール同じだったから、入り込みやすかった。
男女7人、月蝕の夜に集まる設定も同じだったし。
ただ、気になりメモしたフレーズはだいぶ違った。
今回選んだのは、男と女に違いについて。
「男と女は違う。WindowsとMacみたいに」
「どっちが男?」「Windowsでしょ。
ウィルスに弱くて、並行作業ができない。
お風呂で、洗うのと歌うのが同時にできない。
女性は頭の回転が速く直感的で優雅だから、Mac。
値段が高く互換性は低い。でもハマっちゃう」
なかなか面白い比喩だな、と思った。
今まで「男と女の違い」について、多くの例えをメモしてきたが、
今の私には、この表現が腑に落ちた。
性別の「男・女」ではなくて「男性的・女性的」でもいい。
この部分は邦画にはなかったが、日本的な比喩が知りたかったな。
世界18カ国でリメイクされたらしいから、
できることなら、他の国のリメイク映画も観てみたいなぁ。
知らぬが仏、恐怖の晩餐会。
成る程、ほぼワンシチュエーションの凝った会話の心理劇。
イタリア映画ってほとんど観た事無いから、こんな感じの映画も作るんだ、と。
生きてればそりゃありますよね、人に言えない・言いたくない・言い出せない秘密の一つや二つや三つや四つ。
理解できます。
それでもコジモとエヴァはホントにクズでしたねー。
ロッコの、父親としては複雑な気持ちなのに、娘の気持ちと成長を尊重しつつ、自分の気持ちも交えたアドバイス。最高でした。
そんなロッコに何が不満でコジモと浮気してたんだエヴァは?
その辺が劇中自分には読みとれなかったな。
それこそおとなの事情ってやつ?
自分もおとななんだけどなぁ。
向かいのマンションで老夫婦が仲良く月蝕を見ているシーン。
あんな夫婦生活な理想ですよね。
でも、あの夫婦にも裏では色々あったんだろうな。
この映画観ると素直になれない…。
陰と陽、表と裏を月蝕と絡めて、陽と表のままの現実は進んでいるってオチの解釈で良いのかな?
知るは修羅場、知らぬは暗鬼。
深いなー。
秘密は暴くものではない
日本でリメイクされるということで鑑賞。
いい意味で騙された。もっと三谷幸喜の映画みたいなドッタンバッタン喜劇かと思ってました。
ラストはゲームをしなかったパラレルワールドってことで良いのかな。そっちは秘密はあってもみんな幸せだけれどみんな変わらず友人の妻と不倫したりクズ行為を続ける。どっちの方が良いのかと考えさせられました。
人間には大なり小なり秘密はある。それを暴くなんて礼儀知らずなのかな。僕はあまり余韻に浸るということがありませんがこの作品は別。しっかり余韻に浸った。
最高の映画でした。日本のリメイク版にも期待。なんか感動風な予告にしてないのも良いですね。
怖い
いやー、怖いわ。
こんなゲームするもんじゃないね。
仮に俺に何もやましいことがなくても、知りたくもないことはあるもんね。
墓まで持ってけ。
それにしてもみんな隠し事多い。
よくまあこんな抱えてて、にこやかに飯食って、しゃべってられるな。
ちょっとしたことで、ほんとに壊れてしまう。
でも最後残念だったのは、俺たちには抱えてる裏面を全てさらけ出したのに、本人達は何も変わってないんだもんな。
本当はさらけ出して真っ白になりたいんじゃなかろうか?
月蝕の夜の不思議なファンタジーだった。
ラストが…なるほどね
食卓を囲んだ会話劇が好きで期待して観た。
タイトル通り、このシチュエーションの想像通り皆の秘密が明らかになっていく。
おもしろかった。
特に、携帯を交換したことによりもしも自分がゲイだと公表したら友人達がこんな風になるのだと客観的にペッペに体験させるところ。そして、ゲームをやろうと言い出した思春期の娘に厳しい精神科医のエヴァが友人であり夫の親友の1人と浮気をしているという設定。
月食の夜に集まり、月をみながら「ふたつにみえる」と言っていた。それでこのラストかぁ…結局ゲームはやらなかったのだ。もしもこのゲームをしてたなら…というもうひとつの食事会を見せられていた。
ゲームをやらず、秘密もバレないまま皆んな食事を楽しんでそれぞれ帰って行く。
言わなくてもいいことや秘密のままでもいいこともある。(彼らの秘密のうちの何個かは言わなきゃマズいのもあったけど)
一皮剥けば。。。
ずっと見たかった。
そもそもなんで携帯を見せ合うようなゲームをしたのか。
一見幸せそうに見える3つのカップルと相手を連れてこなかった一人の晩餐の話。
携帯を通して小さな秘密が一つ一つ暴かれる。
初めは余興でどんどん修羅の様相に。
秘密は秘密にままにした方がいいって事なのか。
そもそも秘密を共有する必要性もよくわからないけど。
人の関係は一見しただけじゃわからないってことだよね。
イタリアの映画でみ初めてびっくり。
アメリカだと思ってた。。
めっちゃ面白かったですけど!?
あまり期待しないで観ました
なんとなく「インビテーション」を連想してりして。
そしたらその分めちゃくちゃ楽しめました!!
ただね、怖いよ…
何が怖いって、現実に起こりうることだから。ラスト5分が流れる前までは、このゲームめちゃやりたいんだけど!と思ってたんですが、、、なにが正解なのかわかんなくなってきましたね。秘密を言ったほうが今後幸せ(ある程度スッキリするので)なのか、言わずに安定をとるのか、、、。そもそも秘密を抱えた時点で破滅が見えるのか…
構成もすごく良かったですよね。同性愛とか性癖とかへの踏み込み方もリアルだけど下品じゃないし。でもきちんと根っこに踏み込んでたし。伏線とかも張り巡らされてて、よく出来てるな〜と最後まで見てから思います。ちゃんと笑えるしね。
各キャラ振り返ってみると、、
まず整形外科医の夫
いちばんまともに見えたんですけどどうでしょう。彼には内緒でカウンセリング通ってたっていう秘密が、まさかの携帯関係なくバラされちゃうんですけど、あんまり害はなかったですね。
その妻のカウンセラー
この人実はいちばん悪いんじゃないかと。ゲーム提案した張本人なんですけど、なんにもバレてないんすよ。‘夫の幼馴染と浮気’っていうまあ最低な事してるんですけど、視聴者しか気づかない。もしかしたら夫は気づいてるのかもしれないけど、皆んなにはバレてないんです。しかもあんな泣いて、本気の恋だったのか??
次にノーパンの妻
愛のない夫に嫌気がさして、ついついノーパン。飲酒運転で人殺しといてノーパンて。ヒステリー起こすしこの人もちょっとおかしいです。
その夫である弁護士
ダサかったっすね〜。メッセージの相手を隠そうとしたら、ゲイと疑われると。この流れがすごく上手くできてた!ペッペは客観的にゲイが軽蔑されてくのを見ることになるんですよね〜
浮気男とその若い妻
こいつは絶対なんかあると思ったってやつです。案の定でしたね。最悪のタイミングだったなー。
この若い妻の方も、自撮りしてたらメッセージ届くんですけど、その時のそいつへのイメージのガタ落ちといったら凄かった。ちょっとした悪い事であんなにも見方変わっちゃうもんなんすね〜。誤解が解けると、またただの可愛い奥さんに戻るんですけどね
ペッペ。
彼もキツかっただろうなあ。ただのいい人です。ほんとに彼氏を紹介しなくて良かった。
ラストシーンもあっぱれで、「もしゲームしなかったら」の世界なんですけど(そもそもゲームしたのが幻?)ノーパン女が寒いって言ったリ、明日のサッカーないみたいと嘘ついたり。劇中の小ネタが効いてくる感じがたまらなかったですねー。
イタリア映画、たぶん初めて観たけど、すさまじく人間を描いてたなあ。ペッペっていう名前普通なのかな?すごいよね。
密室劇とか、大勢いる食事でのいやーな雰囲気とかが大好物なので大好きな一本です
おとな、ね。
趣味の悪いゲームだなあ。
都合よく、都合の悪い電話やメールが来る、まるでロシアンルーレットのようなドキドキ感。
結局、言い出しっぺも賛同者も、やろうと言う奴が秘密を抱えてて、やめておけと言った奴が隠し事がなかった。ゲーム中も、隠したいことがある奴ほどうるさい。整形外科医という世間ではうさん臭そうなオジサンが実は一番誠実な人物で、カウンセラーという常識的判断ができそうなオバサンがヒステリックでやましい秘密があったというのが皮肉たっぷり。
全て、聞かなかったことにできるというのが「おとな」ってわけね。「おとな」じゃなかったらできないゲームだな。
イタリアの大人の映画
この映画がなぜイタリアでヒットしたのか、最後まで見ると納得できました。
個人情報を暴露するというのは怖いけど、その設定が面白くして笑ってしまったけど、その笑いは静かになりシリアスな雰囲気に。
会話が多くてついていくのが大変かと思ったけど、いつの間にか引き込まれていて、すごく集中できたのが不思議。
“ホモ”から“ノンケ”へ痛烈な皮肉
序盤はお洒落なホムパから始まるものの、段々重苦しい空気に包まれてくる。ちょっとしたゴマカシが取り返しのつかない事件に発展し、事態は個人のセクシャリティにまで及ぶ羽目に…。
コメディかと思いきや、後半の展開は現実に起こっているLGBTの問題にも触れていてなかなか見応えがあった。
舞台化とかおかしな事にならない事を祈る。
会話劇を楽しめる
地味な内容だしあまり期待しないで観てみようと思ったらそうでもない、すごく面白かった。
イタリア語って映画でもあんまり聴き慣れてなかったけど、巻き舌でバーッと喋るもんだから面白くて飽きない。
ホームパーティーっていうワンシチュエーションだけど、大人の友人たちの会話劇がかなり面白かった。
まあよくもこうタイミング良くこんなメッセージや電話が来るもんだなーとは思うけど。
奥さん方が軒並み美人揃いで目の保養になった。
かなりエグい関係も露わになるけど、オチとしては携帯見せるゲームはしてなかったってことでいいのかな。
秘密を秘密としてバレることなくそのまま過ごしているのと、すべて分かってそのまま家庭が壊れるのと、どちらが幸せなんだろうと考えた。
まあ何にしろ、帰り道でエクササイズするペッペは可愛かった。
どろどろ
ばか騒ぎな映画かと思っていたが、何ともどろどろな友人関係を暴く様な作品でびっくり。
ちょっとやり過ぎなぐらいの曲者達で、なかなか悪くはなかったけど、ピアスの件はやり過ぎかも。
自分の友人はこんなんじゃないと信じたい。
皆が皆出来過ぎなカップリングではあるものの、まあこんなものかと思っていたけれど、パーティーが終わってからが…壊れちゃった顛末じゃダメなのか?
余計な救済は要らないよ。
パートナーの携帯は見てはいけない
隠し事はないことを証明するために、かかってきた電話やメールの内容を皆に見せるゲームを行った男女を描いた話。
ある程度予想のつく範囲の展開だが、え!あの人が浮気相手?って意外もあり、なかなか面白かった。イタリア人でも浮気には不寛容なんだなーと妙な感想を持った。
気に入らないのはラスト。ゲームをしなかったパラレルワールド(こちらが本当の世界?)になったのがわかりづらかった。もったいない。
企画オチに陥らなかった、よく練られた会話劇
3組の夫婦と一人の独身男性、計7名でディナーを囲み、ゲームと称してそれぞれのスマホに来た電話やメールをすべて見せ合う、という聊か下世話な設定の物語。これだけ聞くと、次々に7名の秘密や隠し事がバレてあれやこれやとてんやわんやするドタバタコメディを想像してしまい兼ねない上に、最早「企画オチ」にだってなり兼ねないような設定のはずなのだけれど、この映画はそれを巧く飛び越えて秀逸な会話劇に仕上げた。もう単純に声を出して笑ってしまうほど面白いし、同時に人間の(時に醜悪な)本音を抉り出した人間ドラマや心理サスペンスとしても見られるようなよく練られた映画でもあった。
7名がディナーを囲む会話劇となると、どうしても物語が閉鎖的で窮屈な感じになりそうなものだが、この映画が上手なのは、物語が窮屈になる前に、例えば「月食を見にバルコニーへ出る」とか、「お皿を片付けて次のメニューの用意をする」などと言った場面転換を挟み、物語に風を通して換気をする。テーブルにかじりついて激論を交わすだけの映画ではないところがまた良い。
登場人物の職業や価値観や過去の出来事などを明らかにしていく捌き方も、上手に会話の流れで輪郭を作っていくし、7人の中で問題提起する者、是を唱える者、否を主張する者、憤る者、宥める者・・・といった役割を、決して固定することなく流動的に変化させながら物語が転換していくあたりも本当に巧いなって思う。そうすることで、本当に此方もいっしょにテーブルを囲んでいるような気分になるし、彼ら7人が思慮深い「おとな」であることがきちんと描かれる。そういう下地を前半で作ることによって、後半の波乱の展開が、ただのドタバタ喜劇や醜い罵り合いではなく、人間の深層心理に鋭利に斬り込む物語に見えたのだと思う。
スマホのメールを見せ合う、と言われて真っ先に思い浮かぶトラブルは「浮気」だろう。しかしこの映画は「浮気」が夫婦にとってはあくまでも「表面的な問題」であることを熟知している。それを切り口にして、それぞれの夫婦が根本的にあるいは潜在的に抱えている真の秘密を明らかにしていく。うん、やっぱり巧い。一人の独身男性が持つ「秘密」にまつわる他6人の潜在的な価値観の違いがじわじわと滲むあたりも、唸るほど巧い。彼の存在はとりわけ効果的だった。
最後、映画は何事もなかったディナーの後を描いて終わる。全て暴かれて真実を知って孤独になる方が幸せなのか、それとも、何も知らずに秘密は秘密のままで壊れた夫婦関係を継続させるのが幸せなのか、これに関しては、私はいくら考えても未だに答えが出ない。
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