「秀逸な舞台劇を映画化したような…」おとなの事情 うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
秀逸な舞台劇を映画化したような…
イタリア映画って、もっと濃い味付けのものを想像していたら、いい意味であっさり目でした。分かりやすい展開と、キャラクターの描き分け、小気味いい進行で、短くまとめた面白さは、まるで他人の生活をのぞき見しているような好奇心を味わえます。
ほとんどアパートの一室から動かない設定で、画面的には飽きられるのを気にするまでもなく、事態はどんどん泥沼化していき、登場人物たちは誰もがハートを引き裂かれる思いをします。低予算でも、アイデア一本で映画はこんなに面白くなるという、見本のような秀逸な脚本ですね。出演している俳優たちも個性的で、それぞれの演技を楽しんでいるかのよう。
ここまで極端ではないにしても、誰にでも秘密はあるし、ケータイを見て修羅場を迎えた男女って、世に限りなくいるんじゃないですか。そんな人には絶対面白いと思います。
ただ、音楽がうるさいし、自己主張しすぎ。状況音で(テレビの音とか)もう少しうまくできなかったのかなぁ。はっきり言って邪魔でした。
2018.5.7
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