「【The Dark Side of the Moon】」おとなの事情 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【The Dark Side of the Moon】
このオリジナル作品を観て、なるほど、こちらの方を先に観ていた人は、レビューに書いている人も少なくなかったが、日本のリメイク版は少し物足りなく感じるだろうなと思った。
こちらの方は、より映画的で、コメディ感は少なく、日本版より示唆に富んでる気がする。
日本の映画案内ではコメディとしてるものがほとんどだが、僕は、シリアスだと思った。
「なぜ、人は月蝕に惹かれるのかしら?」という問いに、
「The Dark Side of the Moon」というピンク・フロイドの傑作と名高いアルバムタイトルを引用した答え。
因みに、このピンク・フロイドのアルバムの日本語タイトルは「狂気」だ。
そして、The Dark Side of the Moonは、潮汐力で地球に対して、同じ側だけを見せる月の反対側のことだ。
だが、月蝕で、太陽が照らす地球の影で暗くなる月の部分は、月の反対側ではない。月の同じ表側だ。
スマホで露わになるのは、それぞれの裏側の部分なのだろうか。
いや、太陽に照らされているか否かの違いだけと同様で、どちらも表の本当の自分ではないのか。
では、The Dark Side of the Moonとは一体何なのか。
僕は、このスマホを見せ合うゲームで相手の秘密を知ることによって、頭をもたげる、自分でさえ気が付かなかったそれぞれの隠れた感情なのではないのかと思うのだ。
この「おとなの事情」のオリジナル・タイトルは、「Perfetti Scinisciuti」で、直訳すれば、全く知らない人、ということだろうか。
相手の知らない部分、自分自身でさえ気が付かない自分。
そして、日本版のように、「また、集まろうよ」みたいな掛け声はないが、それぞれの場所に戻ろうとする7人。
それこそは、「おとなの事情」によるものかもしれない。
とても面白い作品だった。
※ 因みに、イタリア人が人を招く時の食卓はあんな感じです。ワインを持ち寄って、ホストが料理を適宜出して、ワイワイガヤガヤ。
とっても時間がかかります。
ワンコさんの月蝕(月食?何のことかあまりわかってない)についてのの箇所の説明、説得力あってすごく好きです。この映画、何度も見た割には、月のシーンや月に関する会話、全然覚えていません。頭がいっぱいいっぱい状態だったのだと思います。ワンコさん、イタリア人のお友だちいらっしゃるんですね!