「白人至上主義とアメリカ第一」アンダーカバー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
白人至上主義とアメリカ第一
大量の放射性物質が無くなり、FBIはアメリカでテロが起きると警戒。
ネオナチをマークする新人捜査官のネイトは、白人至上主義の組織に潜入する…。
注目はダニエル・ラドクリフのイメチェン。
序盤は子供が背伸びしてスーツを着ているようにしか見えなかったが、スキンヘッドにして潜入してからは迫真の熱演。
案外、硬派な役が似合うかも。
潜入捜査モノの醍醐味、身元がバレるバレないのスリルは勿論、白人至上主義者たちの危なっかしい実態にもハラハラ。
組織に怪しまれずにテロ阻止に奔走する様はサスペンス映画として見応え上々だが、実を言うとちょっと違う展開が見たかった。
組織に感化され、価値観がひっくり返り、言動も過激になっていき、テロに加担する…だったらバッドエンドながらも衝撃的に印象に残りそうだった。
実話を基にしているので、さすがにそれは仕方ないが。
ラストの更正のメッセージは“今からの”アメリカにこそ響く。
映画で描かれた問題は、人種のるつぼのアメリカが抱える闇。
それに取り組み、緩和しなければならない新大統領が差別主義者…。
白人至上主義は、アメリカ第一の体現か。
WOWOWにて先行放映。
2月28日より公開。
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