特捜部Q Pからのメッセージのレビュー・感想・評価
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これも面白い
シリーズ3作目でダレてきてもいいころなのに面白い。エホバの宗教問題に踏み込む内容だ。カールの眉間のしわがますます深くなり、手が震えるほど精神を病んでいる。アサドのあたたかさが沁みる。犯人が背中を撃たれているのにカールを背負って運ぶほど元気だ。弟が溺死したかと思ったら蘇生に成功して本当によかった。アサドも最後刺されてしまう。命がいくつあっても足りない仕事ぶりだ。
犯人は犯人で宗教2世問題で虐待されてお姉さんは顔を大やけどで失明しているのに医療にかかれない。山上徹也さんがスポットライトを当てた宗教2世問題に気付かないままなら、ふーん、そういう問題もあるのか大変だなーくらいにしか思わなかったことだろう。今は、身近にある問題として認識している。
信仰に対して、鋭く切り込む
もう4回は観てる気がする。
シリーズ最高傑作。と書かれているが、その売り文句に間違いはない。
前作を観てきた人なら、よりそう思うだろう。
信仰を奪う者。という概念が非常に怖かったし、
彼がハサミを使うという設定も、象徴的に感じた。
そして、犯人役の人には、賞を上げたい。
見事な演じっぷりでした。美しく、知的で、怖かった。
カールと、アサド、ローセの関係性が良くなっていくところは、
特捜部Qファンとしては、最もたまらないところだと思うが、
今回も、それを感じられるところが多くあった。
子供が酷い目に合う映画は苦手
例によって犯人は早々に登場するから謎解きは監禁場所の所在と異常なまでの残虐性をもつ犯人の動機、むしろ異常人格形成に至った毒親のトラウマが物語の核心なのでしょう。
天使と対極にある悪魔の僕、その悪魔がイケメンの好青年で似非伝道師、悪魔は時に神の仮面を被り天使のような子供たちを生贄のごとく誘拐、惨殺するのだから観るに堪えない。
それにしてもたった一人の異常者に振り回される警察の能無しぶりには唖然とするしかありません。またしてもカールは囚われの身、窮地を救うのは例によってアサドです、いっそ主人公はアサドにした方が良いでしょう。
特捜部Qは、これまで3作見続けていますが、後味の悪さは最悪、こうまで北欧の闇、病んでいる様ばかり見せつけられるとこれまでの美しかった北欧のイメージが壊されます、特に子供が酷い目に合う映画は苦手ですし怖がらせる小道具のように使うホラー作家には嫌悪さえ感じます。
もっともアンデルセンの時代から子供には甘くは無いのですから、苦痛なら見なければいい話かも知れませんね・・、とほほ。
タイトルなし
シリーズモノで安定して見れる刑事コンビ。北欧物で天気はすっきりしない。エホバの証人や新興宗教を扱い、ハサミで殺す残虐シーンもある。割りと早めにイケメン過ぎる犯人がわかるが中々捕まえられず、信仰心を折るために牧師となり、犯行を重ねるサイコな犯人は怖い。
人は悪魔の子ではない
ベストセラーの北欧ミステリーを、本国デンマークで映画化したシリーズ第3作目。
カールとアサドの今回の捜査は…
特捜部Qに届けられたのは、長年海を漂ってたと思われるビンとその中に入っていた手紙。
ふやけた文字を解読すると、“P”という人物からの助けを求めるメッセージ。
捜査を進め、少しずつ手掛かりや事件の詳細が判明していく中、同様の手口で幼い姉弟が誘拐され…。
前作はちとややこしかったが、今回はストーリー展開的には割りとシンプル。
見易さも分かり易さもシリーズで一番すんなり。
難があるとすれば、シリーズ3作目で初の題材となる“信仰心”。
誘拐された姉弟の両親は信仰深く、捜査に非協力的。実は犯人と…。
警察より神を信じる。
この信仰心は、カールとアサドの関係にもぎくしゃくムードを。
無神論者のカールと信仰心深いアサド。
アサドはただ純粋に大いなる者の存在に心の安らぎを求めているだけであって、それがどうのこうのという訳ではない。何を信じるかは自由だが、カールは…。
3作目で初めて、二人の違いするものを見た気がした。
アサドは、ビンに入った手紙が届いてなければ、今回の事件を捜査する事は無かったかもしれず、そこに何かしらの大いなる者の…と言うが、それを運命とか導きとまでは言わないが、何か因果なものは否定出来ない。
今回も犯人は早々と分かるが、この犯人がシリーズ3作の中でも相当なサイコ野郎。
その歪められた性格は、幼い頃の出来事とこの犯人にも信仰心に関与しているのだが…、
そもそも犯人は、神父。しかも、イケメン。表向きは、体裁が良い。しかし、その心の闇は…。
本人曰く、「悪魔の子」。
神父だぁ? 悪魔の子だぁ?
単なるキチ○イの連続殺人鬼でしかない。
私自身、ある理由から信仰心に対しては否定的だが、それでもこの犯人が犯行の動機に信仰を持ち出すのは笑わせるな。
動機に触れるのはちとネタバレになるので詳しく言えないが、敢えて一言、
人は誰しもが、悪魔の子に堕ちたりしない。
今回信仰絡め、手強い犯人のようでもあるが…、
それでも特捜部Qの無能とまでは言わないが、残念っぷりは否めない。
犯人の魔の手が姉弟の両親に及ぶのを防げなかったり、カールは犯人に拉致られるし…。そのカールはとある事情で冒頭から不調。
また、マスコミも姉弟の顔写真や捜査担当のカールの名まで公表しちゃうし…。
デンマークの警察やマスコミの実態か…?
ちょいとうやむやの点もあったけど、シリーズの中では(あくまで個人的に)一番面白かったかも。
現在、映画化されたのはここまで。
原作は7作まで続いてるようで、勿論それらの映画化も求ム!
犯人の動機
最も純粋な方法で信仰心を折ることを犯行の動機としている犯人。
どれだけ祈っても必要な時に神は降りてこない、ということを目の当たりにさせて信仰心を折る。サタンの僕としての役目…
これまで見た犯行の動機で一番怖かった。
コールドケース専門の捜査班、カール、アサド、ローセら特捜部Qの活躍...
コールドケース専門の捜査班、カール、アサド、ローセら特捜部Qの活躍を描くシリーズ3作目。海岸に打ち上げられたボトルに入っていた手紙が特捜部Qに届けられる。「助けて」というメッセージと差出人の頭文字らしきPという文字以外はインクが滲んで殆ど読み取れない手紙を少しずつ解読しながら、手がかりが過去の行方不明事件にあると睨み聞き込み調査を開始したカール達は奇妙な事実に辿り着く。
常に信仰をテーマに滲ませてきた本シリーズ、今回はそれを前面に押し出して思いもよらぬ展開を静謐かつスリリングに描いています。何気ないカットにも深い意味を持たせた印象的な映像がクライマックスへの伏線にもなっていて、ぐいぐいと重圧な世界観に引き寄せられてしまう圧倒的な傑作ミステリー。デンマーク映画なのでメジャーなキャストは皆無ですが、アサド役のファレス・ファレスは『ローグ・ワン』にさりげなく出演していたのでこれからもっとメジャーになっていくと思います。
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