「話の大枠はいつもの楊貴妃譚と変わらない。楊貴妃をなよなよとした女性でなく勝ち気で自己を(ある程度)貫こうとした女性として描いているのが新味か。范冰冰は楊貴妃役として顔負け(?)していない。」楊貴妃 Lady Of The Dynasty もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
話の大枠はいつもの楊貴妃譚と変わらない。楊貴妃をなよなよとした女性でなく勝ち気で自己を(ある程度)貫こうとした女性として描いているのが新味か。范冰冰は楊貴妃役として顔負け(?)していない。
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①先ずは范冰冰の美しさで持っている映画と言ってよい。そういう意味ではスターシステム最盛時(1920年代~1950年代)のハリウッド映画とよく似ている。②豪華絢爛だが『王妃の紋章』のようなキンキラキンではなくもう少し品のよい豪華さ。衣装はワダエミさんなんですね。だから品が良いのかも(日本人びいき)。長安の都自体は皇城から見える遠景しかないが、皇城のデカさは流石に唐帝国という広壮さ。③前半はやや王朝ものにつきものの権謀術数があるが、後半は殆ど玄宗と楊貴妃との純愛物語りとなる。従い、激動の歴史ドラマ或い歴史の渦の中での人間ドラマというような重厚さはない。最近流行りの韓国王朝ものと大差ない。④しかし、歴史の実態はこんなものだったのかも知れない。当時の唐は大帝国の体はしていたが、内部には色々な問題を抱えていたから、それを「皇帝を操った寵妃とその一族」のせいにして政治的に納めたのかも知れない。⑤従い、ここでは楊貴妃は純愛を求めただけの清廉な女性であり、玄宗もそれに応えた男として、あくまでもラブストーリーの側面を強調する。まあ、こういう描き方もあっても良いでしょう。⑥最後楊貴妃が死ぬシーンは初めて観た演出でなかなか迫力とともに叙情もあり貰い泣きしてしまった。深みはないけど范冰冰の絶世の美女ぶりとラブストーリーを強調した如何にも往年のハリウッド映画仕立てにしてあることで点は甘くしてあります。
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